【解説】スウェーデン議会は今年の5月、OnlyFans などのプラットフォームを含む、オンラインで視聴しながら性的なパフォーマンスを購入する行為を禁止する法律を可決しました。これは、既存の性購買処罰法(最初の北欧モデル型立法として有名なもの)の改正を通じて成立しました。このニュースは Euractiv の2025年5月20日付の記事を通じてたちまち各国に広がり、多くの反性売買の活動家から大いに歓迎されました。ここでは、ウィメンズ・プラットフォーム・フォー・アクションの記事を翻訳紹介します。
ウィメンズ・プラットフォーム・フォー・アクション
2025年5月22日
スウェーデンの議会は、OnlyFans のようなプラットフォームにおける生配信での性的ネットコンテンツの購入を処罰する法律を可決した。この新法は、男性がウェブカメラを通じて女性の身体をリアルタイムで閲覧するために料金を支払う、急成長している市場を規制するものだ。この世で、男性が女性や少女の身体を購入することほど儲かる商品はほとんどない。例えばコロンビアでは、主にコロンビア人とベネズエラ人の女性および少女約 40 万人 が、ウェブカメラを通じて被害に遭っていると推定されている。
スウェーデンの法律は、デジタル時代における男性による女性に対する暴力を阻止するための重要な一歩である。同時に、「性的サービスの購入」という用語は「性的行為の購入」に変更される。この法改正は 7 月 1 日に施行される。
1999年に施行された「平等モデル」としても知られるスウェーデンの性購買処罰法は、この種の法律としては初めてのものだった。以来、この法律は、多くの国々で同様の法律の制定に影響を与えてきた。この法律が採択されて以来、売買春や人身売買は、新たなデジタル分野へと移行している。しかし、法律はこうした現実に対応しきれていない。
この種のプラットフォームを擁護する人々は、それが女性たちにエンパワーメントをもたらすと主張している。しかし、研究によると、このサービスを利用している人の多くは、虐待を受けた経験がある。その大半は、経済的に周辺化され、虐待や強制の経験がある、脆弱な立場にある女性たちだ。スウェーデンの調査では、96% が子供時代に何らかの虐待を受けたと答え、88% が性的虐待を受けたと答えた。77% は子供時代にポルノグラフィで搾取され、84% は PTSD の診断基準を満たし、45% は障害があり、69% は少なくとも 1 回は自殺を試みたことがあると答えた。
性行為の買い手は圧倒的に男性であり、女性が商品であり演者でもある商品化された相互作用の中で、権力と支配を行使している。スウェーデンの法改正は、デジタル上で発生した場合でも、売買春や人身売買で搾取されている女性たちの保護を強化するものだ。
これらのプラットフォームは、解放や主体性を提供しているわけではない。それらは、女性の服従が金銭的に評価され、男性の支配が当たり前となっている、古いシステムの再包装版にすぎない。違いは、それが今では、生存によって形作られた選択と同意という幻想のもと、ネット上で行われているという点だけだ。
新しい法律は、暴力や搾取がデジタル形式でも発生しうることを明確にし、法律もそれに応じて対応しなければならないことを定めている。女性の身体へのアクセスを、たとえバーチャル的なものであっても購入することは、無害なことではない。それは、お金があれば他人を自分の意のままに利用できるという信念を強めることになる。
「自由」や「仕事」に関する議論は、なぜ、とくに男性が女性の身体を搾取しているのかを問わない。そこには自由が反映しているのではなく、女性と男性のあいだに存在する、より深く、より系統的な不平等が反映されているのだ。経済的な必要やジェンダーによる期待によって条件が決められているところには、真の自由は存在しえない。
スウェーデンの性購買処罰法をライブ配信された性的なコンテンツにも拡大する決定は、その構造を認識し抵抗する重要な一歩だ。世界中の他の国々もこれにならうべきだろう。不平等と女性身体の搾取に依存した経済を解体するために、それは必要なのだ。これは単なる立法の問題ではない。これは一線を引くことでもある。すなわち、女性の身体は商品ではない。同意を買うことができない。尊厳、安全、自律の権利は画面の向こう側で終わるべきではない、と。搾取がデジタル化したのであれば、正義もまたデジタル化されなければならない。
出典:https://www.womensplatformforaction.org/sweden-bans-digital-sex-purchases/