【解説】以下は、民主的社会主義者でイスラム教徒であるゾーラン(ゾフラン)・マムダニ氏がニューヨーク市の市長に当選したことに対する、「平等モデルを求めるニューヨーカー(NYFEM)」の声明です。左派の世界では、マムダニの当選に対して歓迎一色ですが、NYFEMは、マムダニの当選を歓迎しつつも、彼がニューヨーク州の議員であったときに、性売買の完全非犯罪化(売買春の自由化)を求める法案の共同提案者であった事実を指摘し、売買春の非犯罪化に向けた措置を取らないよう釘を刺しています。
現在、woke 化した左派は、一方では金持ち・大企業への増税や貧困者への支援、公共サービスの拡充といった伝統的な左派的課題と、性産業の自由化やセルフIDの推進といった woke 的な反女性的政策とを結びつけるようになっています。前者を目くらましにして、後者を推進するのが、現在の woke 左派の戦術です。アメリカの woke 左派たちは、マムダニ氏に対してさっそく、性産業の自由化に向けて努力するよう促しています。NYFEMは、ニューヨーク市長に当選したマグダニ氏がそのような woke 左派の犯罪的立場を取らないよう、そして性売買サバイバーを支援するよう訴えています。
ニューヨーク州ニューヨーク(2025年11月5日)──「平等モデルを求めるニューヨーカー」(New Yorkers for the Equality Model、NYFEM)連合は、ゾーラン・マムダニ氏がニューヨークの次期市長当選、および、ニューヨーク市全体の平等に対する彼のこれまでのコミットメントに祝意を表する。
私たちはしかし、この選挙における彼の成功を認めつつも、次期市長たるマムダニ氏がニューヨーク州議会において、買春と売春店経営を含む性売買を非犯罪化し、州の人身売買法を骨抜きにする法案の共同提案者であったという事実は変わらない。人権活動家であり性売買サバイバーとして、私たちはマムダニ氏に、売買春と性的人身売買によって引き起こされる深刻な被害と向き合うこと、そして売買春制度を完全非犯罪化するような努力や政策を拒否することを強く求める。
私たちは、被買春者の不当逮捕、警察の嫌がらせ、投獄をなくすことを求める一方で、性売買の非犯罪化は進歩的なものではないと主張する。それは、公共の安全に破滅的な影響を与えることになるだろう。売買春を合法化すれば、住宅街や学校の近く、商店街の向かい側で売春店が公然と営業することになる。買春者は処罰を恐れることなく女性を勧誘できるようになる。ピンプや人身売買業者は自由に広告を出すことができ、経済的不平等、強制、虐待で繁栄する市場が拡大する。性売買が非犯罪化された国と地域では、人身売買が増加し、組織犯罪が栄え、女性やその他周辺化された集団に対する暴力が激化している。
「売買春はエンパワーメントではありません。それは、すでに私たちを打ち砕いたシステムにおけるサバイバルなのです」と、サバイバーでNYFEM連合のメンバーであるメラニー・トンプソンは言う。「人々が 『セックスワーク』の非犯罪化を求めるとき、彼らは性売買に伴う暴力やトラウマを無視します。私が初めて売られたのは12歳のときでした。搾取されることにエンパワーさせるものは何もありません。私たちに必要なのは、仕事、住居、医療、教育であって、捕食者が私たちを売り買いしやすくする政策ではないのです」。
私たちは、マムダニ次期市長に明確な立場をとるよう求める。ニューヨーク市では、ピンプ、売春店経営者、買春者を非犯罪化するいかなる提案も支持せず、推進もしないこと。その反対に、性売買の中の女性たちに包括的でトラウマに配慮したサービスを提供すること、そして女性および多様なニューヨーカーのための経済的機会、住居の安定、安全を拡大する政策に投資すること──これらこそが、何よりも性的搾取を防止する条件そのものである。
ニューヨークは、すべての人のための平等が確固たる目標である都市になることができるが、不平等を容認し、それをノーマルなものにさせ続けるならば、そうはならないだろう。
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「平等モデルを求めるニューヨーカー(NYFEM)」について
NYFEMは、ニューヨーク州における性的搾取をなくすために活動するサバイバーが指導する、サービス提供者と人権活動家の連合体である。NYFEMは、買春者、ピンプ、性搾取利得者の責任を問いつつ、買春される人々を非犯罪化する「平等モデル」を提唱している。この連合は、ジェンダーの平等、公衆衛生、社会正義に基づいたサバイバー中心のアプローチ、すなわち搾取ではなく真の選択を保証するアプローチを推進している。