「女性と少女に対する暴力に取り組むうえで、生物学的性別の重要性を再確認すべき――国連専門家語る」

【解説】以下は、2025年6月25日に発表された「女性と少女に対する暴力問題国連特別報告者」であるリーム・アルサレムさんの最新の報告書(全部で22頁もあります)の短い要約文であり、国連サイトで発表されたプレスリリースです。女性と少女に対する暴力を正しく認識しそれに対応する上で、「生物学的性別」を曖昧にしてはならず、それを明確にする必要があることを訴えています。

2025年6月25日

ジュネーブ – 差別や暴力の経験において生物学的性別(sex)が果たす中心的な役割を早急に再確認し、世界的に拡大する女性と少女に対する暴力という現象を効果的に防止し、それに対応しなければならない、と本日、国連専門家(リーム・アルサレム)は述べた。

 「女性に対する暴力は、生物学的性別(biological sex)という物質的な現実に根ざしており、多くの場合、他の諸側面と交差することで、暴力に対する脆弱性を増大させている」と、「女性に対する暴力、その原因および結果に関する特別報告者」であるリーム・アルサレムは、人権理事会への報告書で述べている。

 「この客観的な事実をきちんと認識しないことは、女性と少女に対する暴力を、男性による女性に対する暴力として正しく表現し理解するための、そしてそれに対して効果的に対応するための、私たちの集団的能力を損なっている」と彼女は述べた。

 リーム・アルサレムの報告書は、国際法は、女性と少女の生活経験において生物学的性別が中心的な役割を果たしていることを認識しており、これに基づく差別を禁止していることを想起している。

 特別報告者は、女性と少女に対する性別に基づく暴力の形態を強調することは、ジェンダーに基づく暴力の概念を損なうものでも、その重要性を軽視するものでもない、と付け加えた。

 「女性の経験形成において性別が重要な役割を果たしていることを認識することは、女性を生物学的決定論に閉じ込めることを意味するものではない。むしろ、そのような経験を分析する枠組みの中で性別が無視されると、女性や少女たちは法律、政策、研究、サービス提供から無視されることになる」と彼女は述べた。

 この報告書は、女性という言葉やその他の性別特定的な言語の浸食、および性別とジェンダー・アイデンティティの混同が、データの欠陥、暴力被害を受けた女性に対する不十分なサービス、レズビアン、「女性」を自認しない女性、性別違和を経験している少女を含む、女性と少女に対する保護の全般的な弱体化につながっていることを強調している。また、ドメスティック・バイオレンスに関連する自殺、出生前の性別選択、ジェノサイドの手段としてのフェミサイドや生殖暴力、デジタル技術によって促進される暴力など、性別に基づく新たな諸形態の暴力に対する認識と対応とを妨げる要因にもなっていると報告書は指摘している。

 特別報告者は、各国および関連する関係者に、女性と少女に対する暴力に対処する上で生物学的性別が重要な要素であることを認識し、法律、政策、データにおいて女性および性別に関する用語の使用を保障し、女性と少女がこれらの問題について恐れたり報復を恐れたりすることなく自由に発言する権利を保障するよう求めた。また、出生前の性別選択や、性別違和のある未成年者に対する不可逆的な医療的介入を禁止するよう求めた。さらに、ジェノサイドの手段として行なわれる女性に対する新たな形態の暴力について、その形態を特定、命名し、犯罪化する必要性を強調した。

 リーム・アルサレムはまた、同意に関する短い補足報告書を提出し、女性と少女に対する暴力に対処する法的枠組みにおける同意の概念は、しばしば誤用されていると結論づけた。同報告書は、被害者をよりよく保護し、国際人権法に基づく説明責任を保障するため、各国が同意の適用を明確化し、標準化することを推奨している。特別報告者は、各国が堅固な法的基準を策定するのを支援するため、2025年末までに、より包括的な政策概要を策定する予定だ。

 リーム・アルサレムはまた、イギリスおよびアラブ首長国連邦への国別訪問に続く報告書も提出した。

 
出典:https://www.ohchr.org/en/press-releases/2025/06/un-expert-calls-reaffirming-importance-sex-description-violence-against

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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