【解説】以下は、フランスを基盤にした国際的なアボリショニスト団体である CAPインターナショナル、Scelles 財団、Mouvement du Nid による12月10日付の共同のプレスリリースの全訳です。2025年11月22日に、フランスの著名な極右政党である国民連合(旧「国民戦線」)のある国会議員が、セックスワーク論に基づいて、売春店の再開を国会で要求し、そのための法案を準備していると発言したことをめぐるものです。
CAPインターナショナル
2025年12月10日
反フェミニズムで保守的な国民連合(Rassemblement National)が新たな構想を発表した。それは擬似現代的な「協同組合」という形で売春店を再開するというものだ。暴力と男性支配を協同組合として制度化するとは、実に現代的だ! 2025年、ポストMeToo の時代に、男が金で女性と性行為を行なう場所を組織化するという発想は、まったくもって馬鹿げている。
売春店の再開は、特に最も脆弱な女性たちの売買を合法化することに等しい。彼女たちに暴力と搾取を生存手段として強いる行為だ。これは「マネージャー」と改称されたピンプの非犯罪化、ますます増加する暴力的な買春者の正統化、未成年者を小児性犯罪者の手に引き渡すことに他ならない。
フランスでは2016年における北欧モデル法の制定以来、性的サービスの購入は禁止されており、被買春者の中の希望者には売買春から脱却するための支援プログラムが用意されている。
そして、欧州人権裁判所もまた、M.A.他対フランス判決において、売買春制度との闘いにおいて保護的かつ包括的・一貫性のあるアプローチとしてアボリショニスト・モデル(北欧モデル)を肯定している。この法に対して指摘されている悪影響なるもの〔「セックスワーカーを危険にさらす」等々〕は根拠がなく、あるとしてもそれは売買春制度そのものに内在するものである。
Scelles財団とIPSOSによる最近の調査は、フランス人の10人中9人がアボリショニスト・モデルを支持し、4人中3人が売買春制度対策として「客」をより厳しく罰すべきだと回答していることを確認している。
われわれは改めて表明する。極右は女性やフェミニズムの味方ではない。彼らは、開放性や女性の権利擁護を装いながら、男性が女性の身体を支配し利用しようとする古い家父長制的伝統を推進している。極右は女性、とりわけ、最も脆弱な立場の女性を公然と軽蔑しており、売春店の復活が最も最初に被害をもたらすのはそうした女性たちである。
むしろサバイバーの声を聴こう! 売買春の廃絶はフェミニズム的、反人種差別的、社会正義のための闘いである。われわれは極右からのあらゆる攻撃や、女性への暴力を制度化しようとするあらゆる試みに抗して、この闘いを継続するだろう。