売春ロビーが政府、労働組合、メディアと結託して、脆弱な女性を売買春へと追い込むドイツの現状

【解説】以下は、ドイツにおける売買春の現状を伝える記事の全訳です。ドイツでは左翼政権のもと、セックスワーク論に基づいて2001年に売買春が合法化され、売春は他のどの仕事とも同じだとみなされるようになりました。それによって、どれほど悲惨な事態になっているかを専門家が語っています。

ジュディス・セヴィンチ・バサド
『トリガー・ウォーヌンク』2025年12月13日

トリガー・ウォーヌンク・ポッドキャスト」で、売買春問題の専門家であるギゼラ・ヴィーダシャインは、強制売春や人身売買に関する信じられないような事実を明らかにし、衝撃を与えた。その概要は次のとおりだ。

売買春はクィアなアイデンティティとして美化される

 国際的な研究や警察や社会福祉士による報告が明らかにしているように、ドイツでは、女性の大半が自発的に売春を行なっているわけではない。売春女性の大半は東ヨーロッパ出身で、多くの場合、強制売春や人身売買の被害者だ。

 問題は、政治、社会、メディアが、売春を「セックスワーク」、つまり女性の自己決定の行為として美化し、移民女性のこの悲惨な状況を黙殺していることだ。その理由は、クィア活動の影響を受けて、売春は、無性愛、ポリアモリー、フェティシズムなどと同様、長い間「倒錯」と烙印を押されてきたが、現在では差別から保護されるべき無害な性的表現とみなされているからである。

ウクライナからの戦争難民のための「セックスワーク」支援

 売春女性は LGBTQ コミュニティの一員とみなされ、売春は性差別的な権力構造を打ち破る進歩的な行為とみなされている。

 このイデオロギー的な美化は、致命的な結果をもたらしている。フェミニズムの名の下、LGBTQ 活動家たちは、問題含みの売春推進ロビーの支援を受けて、主に東ヨーロッパの女性たちの人身売買や強制売春を積極的に推進している。多くの場合、ドイツ政府の支援も受けている。

政府とそのプログラムが女性の性的搾取に資金を提供

 たとえば、「国境を超えたセックスワーク(Trans Sexworks)」というイニシアチブがある。ウクライナ戦争の開始当初、このイニシアチブは、ウクライナからの女性難民を対象としたキャンペーンを SNS で公開した。そのメッセージは、ウクライナの女性がドイツで売春を行ないたければそれを支援したい、というものであった。

 この活動は、ベルリン当局、「民主主義を生きる!」〔連邦政府による助成プログラム〕、そして教育・家族省によって支援されていた。つまり、戦争や爆撃から逃れてきたウクライナの女性たちは、ドイツ政府の支援のもと、積極的に売春に追い込まれたのだ。

大学、労働組合、そして教会まで…

 同様の売春推進キャンペーンが、ザクセン州のさまざまな大学でも見られた。たとえば、ドレスデン応用科学大学(Fachhochschule Dresden)のキャンパスには、「セックスワーク」団体「ダリア」のポスターが貼られている。「エスコート嬢、コールボーイ、パパ活をやって学費を稼いでいる? TGボーイ、プロになりたい? 入門相談をお探し? 匿名で、連帯し、結果に偏らない相談を行ないます」とそこに書かれている。その横には、ザクセン自由州の紋章が誇らしげに飾られている。

 あらゆる社会分野で売春をノーマル化するという目標は、主に売春推進ロビーによって推進されている。その一つである「エロティック・性的サービス職業協会(BesD)」に参加しているのは、この職業の大半を占める東ヨーロッパからの移民女性たちではなく、Instagramアカウントを持つ教育を受けたエスコート嬢、売春店の経営者、売春斡旋業者、その他このビジネスで収益を上げている利益団体である。

 この団体は明らかに利益を得る者たちの利益を代表しているにもかかわらず、恵まれない女性たちの保護者であるかのように振る舞い、政治や社会的な機関に意図的に圧力をかけている。その結果、「エロティック・性的サービス職業協会(BesD)」は、「統一サービス産業労働組合(Verdi)」〔組合員300万人を要するサービス関連のドイツの労働組合〕に、北欧モデル(つまり売買春の廃絶を求める立法)に反対する立場表明書を発表させた。

 教会でさえ、このロビー団体に追随している。ライプツィヒでは、ペータース教会が同団体と共同で、「主の家における娼婦たち」と題した数日間の会議を開催した。売買春に批判的な団体は排除された。その代わりに、売買春の廃絶は「セックスワーカー」差別になるとの主張に焦点が当てられた。

報道機関への圧力

 同ロビー団体は、同じやり方で、売買春に関する報道も制限しようとしている。その一環として、ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)に働きかけ、言語に関するガイドラインの公表を促した。その目的は、「セックスワーク」について「敬意を持って」報道することである。

 実際には、人身売買、強制売春、売春斡旋に対するいかなる批判も、道徳的に非難されている。その結果、「強制売春」「体を売る」「売春斡旋業者ロビー」などの重要な用語は、使用が禁止されている。その理由は、それらが「差別的」であるからだという。

 「特権的な」女性だけが自発的に売春を行なうという主張は、ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)のパンフレットでは「反民主的な戦略」として非難されている。別の箇所では、「セックスワーク」は女性にとって「ポジティブな体験」を生み、「性暴力の被害者を保護する場」であると述べられている。これはあまりにも不条理で道徳的に堕落しており、ドイツ・ジャーナリスト協会(DJV)がなぜこのような主張に走ったのか不思議でならない。

 同時に、売春女性の離脱を支援する「Sisters E. V.」などの団体は、繰り返し「右翼」ないし「極右」として中傷されている。そのひどさたるや、ソーシャルワーカーが事務所を失ったり、公的な中傷や誹謗中傷に対して法的措置を講じるために数万ユーロを費やすほどだ。

 何より残る疑問は以下のことだ。どうしてドイツでは、女性憎悪がフェミニズムとして売り出され、誰もがそれに乗っかっているのかということだ。

出典:https://trigger-warnung.com/wie-demokratie-leben-hilflose-frauen-in-die-prostitution-draengt/

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

コメントを残す