【解説】国連女性差別撤廃委員会(CEDAW委員会)は最近、アルゼンチン、チェコ、エルサルバドル、イラク、レソト、リトアニア、オランダ、ベトナムの8つの締約国を審査した結果に関する報告書を発表しましたが、その中のオランダに関する報告では、以下に引用にあるように、「セックスワーク」という言葉が普通に用いられ(「強制売買春(forced prostitution)」と並んで用いられているので、直接的には強制ではない売買春は単なる労働=セックスワークであるという認識に基づいているのであろう)、さらには、「未成年のセックスワーカー(minor sex workers)」という言葉まで用いられています。
オランダ王国
女性と少女の人身取引および売買春の搾取に関して、委員会は強制売買春の危険性、未成年のセックスワーカー、ならびにセックスワークからの離脱を希望する女性および少女に対する離脱プログラムへのアクセス制限を強調した。締約国に対し、未成年者における強制売買春およびセックスワークの防止・対処、セックスワークからの離脱を希望する女性と少女に対する離脱プログラムへのアクセス簡素化、適切な支援サービスの提供、ならびに警察への通報手続きの改革(アクセス可能性、秘密保持、被害者中心の対応を確保するため)を求めた。
このような記述は、売買春という性暴力を含む、女性と少女に対するあらゆる差別と暴力の撤廃を目的とした国際組織であるCEDAW委員会にあるまじきものであり、女性人身売買反対連合(CATW)を中心にして、このような勧告書に対する抗議の国際署名が昨日から開始されました。ぜひご署名ください。→署名はこちらから。以下、署名本文の訳を掲載します。
国連女性差別撤廃委員会(CEDAW委員会)の委員各位への公開書簡
売買春および性的人身売買のサバイバーを含む私たち署名者は、地域・国家・国際レベルにおいて女性と少女の基本的人権の促進と保護に尽力しています。私たちは、貴委員会が最近公表したオランダによる第7回定期報告書に関する最終見解(「報告書」)に示された勧告に対し、集団的な怒りを表明するものです。
そこで私たちは、CEDAW委員会に対し、下記の通り報告書をただちに修正するよう強く求めます。
1) CEDAW委員会は、国際法および人権原則に従い、「セックスワーク」に関するすべての言及を削除すること。
2) CEDAW委員会は、性的人身売買された少女を「未成年セックスワーカー」と表現するいっさいの記述を削除すること。
3) CEDAW委員会は、オランダその他の締約国における性売買のさらなる拡大につながる勧告をいっさい削除すること。
4) CEDAW委員会は、性的人身売買と売買春制度との間に確立されている不可分の関連性を認識すること。
5) CEDAW委員会は、国際法、人権原則、および自らの一般勧告に基づく任務を遵守し、女性と少女が平等と尊厳を享受し、暴力のない生活を送る基本的権利を擁護すること。