国際署名:今こそマルタに平等モデルを!

【解説】マルタは、地中海に浮かぶ小さな島々で構成された美しい国ですが、今この国で労働党政府は、セックスワーカーの保護を口実に売買春の合法化とその管理を目指す改革を推進しており、女性団体と野党はそれに反発し、それに代えて平等モデル(北欧モデル)を提唱しています。マルタはEU加盟国であり、欧州議会は北欧モデルを採用するよう加盟国に求めています。以下は、マルタでの売買春非犯罪化を阻止し、北欧モデルの採用を訴えるマルタの女性団体・売買春サバイバーによる国際署名です。ぜひご署名ください。

 最前線のフェミニスト団体と売買春サバイバーがマルタにおける「平等モデル」(北欧モデル)の採用を求める。私たちは、最前線のフェミニスト団体として、またサバイバーとして、売買春が女性や少女に対する暴力の一形態であることを知っている。売買春のうちには、性的、身体的、経済的、象徴的、制度的なあらゆる形態の暴力が集中されている。長年にわたる最前線での活動や生活体験、それに加えて多くの研究は、売買春が経験者にとってきわめてトラウマ的な体験であることを示している。

 売買春が存在するのは、一部の男たちが金を払って女性の身体にアクセスするのが普通だと考えるからにほかならない。その需要を満たすために、高度に犯罪的なネットワークが女性や少女を売買する搾取システムを構築している。

 ドイツやオランダのような売買春合法国で観察されたように、売買春をノーマル化したうえで管理することは、売買春の中の女性たちの状況を改善することなく、これらの搾取ネットワークに正当性と尊敬を与えるだけである。

 私たちマルタのサバイバーと活動家は、ヨーロッパおよび国際的な協力者の支援を得て、マルタ政府に対し、売買春を合法化するのではなく、平等モデル〔北欧モデル〕を採用するよう訴える。

 このモデルを採用することは、売買春は人間の尊厳と相容れないとする「人身売買及び他人の売春の搾取の防止に関する国連条約」をマルタが批准したことと一致するだろう。また、2023年9月14日に採択された欧州議会決の勧告に従い、加盟国に以下のことを求める。

1.被買春者を非犯罪化する……欧州議会は加盟国に対し、売買春の防止、売買春の中の人々、とくにその中の女性たちの非犯罪化の分野で行動を起こすよう求める。

2.被買春者に対する支援と保護、離脱経路へのアクセスを提供する……売買春の中の女性たちの大多数は、売買春をやめたいと望んでおり、そのため、希望する女性たちが、暴力や売買春から解放された生活を築くために、自信を持ち、国の支援を含む支援を受けられるよう、代替案や離脱経路を促進する努力をすべきである。

3.あらゆる形態のピンプ行為を罰する……加盟国は、売買春を目的として他人を周旋、雇用、誘引すること、および他人の売買春から利益を得ることを犯罪として処罰できるようにすべきである。

4.需要を抑制するため、あらゆる種類の性的行為の購入を処罰する……加盟国に対し、報酬またはその約束、現物の提供またはその約束と引き換えに、人に性的行為を勧誘し、受諾し、または取得することが犯罪として処罰されるようにすることを求める。

5.教育、予防、研修……加盟国は、人身売買、性的搾取、売買春および同意に関する予防プログラム、緻密な教育プログラムを、学校およびより広い社会において、特に売買春の中の人々の出身国において推進すべきである。

サバイバーであり活動家である私たちは、マルタにおける「平等モデル」の採用を求めるアピールを開始する

 今こそ、世界最古の抑圧を終わらせる時である。マルタ政府は、ピンプ、人身売買業者、買い手よりも女性の保護を優先すべき時である。社会正義と男女平等の社会を築く時である。

 今こそマルタは平等モデルを採用すべき時だ。

https://docs.google.com/forms/d/1d2kPY2uuge5iT0fJQ448br9U5Z-UmRjMF_NP320Qt80/viewform

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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