【解説】以下は、2024年2月6日にノルディックモデル・ナウ!(MMN)のサイトに掲載された最新記事の全訳です。スコットランドは早くから北欧モデルの導入に向けて動いていましたが、トランス活動家からの妨害などのせいで、一時的に停滞していました。このたび、それを乗り越えて、スコットランド政府が売買春問題に取り組む新しい戦略文書を発表したのを受けて、MMNがそれについての短い論評を出しました。
ノルディックモデル・ナウ、2024年2月6日
スコットランド政府は本日〔2024年2月6日〕、スコットランドにおける売買春や商業的性的搾取に取り組む新しい戦略を正式に発表した。
長い時間がかかったが、待った甲斐があったというものだ。性の購入を犯罪とする法律の導入までは踏み込んでいないが、北欧モデルの他の主要な諸要素のほとんどが盛り込まれており、これらを最初に導入することには十分な根拠がある。
売買春を女性と女児に対する暴力の一形態として長年認識してきたスコットランド政府の立場と、女性と女児にとって安全で性的搾取のない社会を築くというコミットメントに基づくこの戦略は、野心的かつ印象的である。この戦略は、まったく別のものの後ろにこっそり付け足された小手先の修正案ではない。それはよく研究され練り上げられた戦略なのだ。
スコットランドの南に位置するウェストミンスター〔イギリスの国会〕や英国内務省とは対照的に、この戦略は婉曲的な「セックスワーク」という用語を明確に拒絶し、「売買春」や「商業的性搾取」という用語を用いている。直接の当事者となるのは「売買春の中の女性たち」あるいは「セックスを売る/交換する女性たち」であり、女性を尊厳をもって扱うのに別に「セックスワーク」という語彙に頼る必要はないことを示している。
この戦略の目的は、「売買春から持続可能な形で離脱することを含め、女性たちの支援を改善し、教育、啓発、より多くの情報に基づく公的・民間部門のサービス提供や関与、エビデンスがある場合には法整備を通じて、男性の需要に挑戦し、それを抑止すること」である。私たちノルディック・モデル・ナウ(MMN)は、買春を犯罪化するのに必要なエビデンスはすでに明らかであると確信している。
この戦略の鍵となる要素は、売買春の経験を持つ人々により良い支援を提供するための新しい「全国的な支援経路」である。その中には、業界を離れ、業界の外で積極的な生活を維持するための支援も含まれる。支援策には当事者の「生活体験研究」から学んだことが取り入れられている。その研究からわかるのは、女性たちはさまざまなサービスを必要としているが、その多くは現状では当事者に対して決めつけ的である場合が多く、何度も自分の話を繰り返す必要がある。そこで、よりよい調整、関係機関に対する研修、専門的なサービスを提供する全国的な拠点(ハブ)の設置が計画されている。アイルランドでの経験から、このような相互に結びついた複合的なアプローチによって、女性にとって結果が大幅に改善されることがわかっている。
この戦略は、明確で健全な指針に基づいている。重要なのは、それが提供しようとしているのがスコットランド全体のための国家戦略であることだ。それは以下のように述べている。
それは、スコットランドには、いかなる個人に対する商業的性搾取の入る余地も存在しないという、国や地方レベルの政策や実務を通じて理解され推進される、強力で一貫性があり、明確な国家的メッセージである。売買春やより広い意味での商業的性的搾取は、女性と女児に対する暴力の一形態であり、スコットランドでは容認されないことを明確にしている。搾取の加害者(買春者や利得者など)は責任を問われることになる。
これはとても重要なことだ。というのも、私たちは、北欧モデルのような法律が、その背景にある考え方や効果的な実施方法について、すべての公的機関や第三者機関にきちんと研修を受けさせる戦略なしに通された北アイルランドやカナダで何が起こったかについてよく知っているからだ。その点を踏まえてスコットランドは、司法、社会保障、借金の相談、児童保護と子どもの貧困、住宅、行方不明者、薬物・アルコール依存者へのサービス、難民の社会的受け入れ、貧困の解消、介護離職者・学生・刑務所出所者への支援、女性への医療、性的医療、精神医療など、あらゆる機関やセクションがどのように戦略に参加し、その実現にどのように重要な役割を果たすのかについて詳しく列挙した16ページもの付属文書を含む政策を策定している。
法的・社会的枠組みは売買春を搾取の一形態として理解しているため、性を売る側や交換する側は犯罪者ではなく被害者として扱われる一方、売買春を搾取・勧誘・管理する者は犯罪者とみなされ、その行為が引き起こす損害に見合った処罰が期待される。
その他の重要な指針は、予防と根本原因への対処、社会的包摂の促進とスティグマへの対処、実際の経験者から学びことなどである。さらに、戦略の各要素がいつ試験的に実施されるのか、詳細なタイムラインまで設定されている。
NMNのスタッフ全員がこの進展に胸を躍らせており、スコットランドがこの野心的で待望の戦略を実行に移し、成功を収めることを祈っている。そして、ウェストミンスター〔イギリスの国会〕がこの戦略に耳を傾け、そこから学ぶことを願っている。