ジェナ「救い主、真実を語る者、そして権力」

【解題】以下は、いつもお世話になっているノルディックモデル・ナウ(NMN)に掲載された最新のポストの全訳です。NMNと筆者のジェナさんの許可を得たうえで、以下に掲載します。

ジェナ
Nordic Model Now!, 2026年4月29日

 性産業を離れてから私が経験した最も解放的な出来事の一つは、その性産業について語ることだった。その恐ろしさを、美化したりごまかしたりすることなく語り、書き記すことは、癒しのプロセスの一部だった。そのプロセスは今も続いている。

 子供の頃、私はひどく内気で、秘密という重荷を背負っていた。私は長年にわたり、自分自身を沈黙させ続けた。沈黙は安全だった。非難されたり恥をかかされたりすることもなく、自分自身に嘘をつき続けることができたからだ。しかし、一度真実を口にしてしまえば、後戻りはできなかった。力を取り戻したような気がし、これらの秘密を共有することで何か良いことが生まれるかもしれないと感じた。

 ラッセル・ブランドが最近ピアーズ・モーガン相手に行なったインタビューを見て、セックスと恥の秘密、そして男女間の力の不均衡がいかにしてまったく異なる結果をもたらすのかについて考えさせられた。興味深いことに、そのインタビューの中でブランドは頻繁に「真実」について語っている。彼は自らを「真実を語る者」と称し、「真実には深く魅了されている」と述べている。また、真実を恐れてはいないとも語っている。

 ブランドは、数多くの女性と性関係を持ったという公然の経歴を持つ男だ。多すぎて数えられないほどだ。彼は過去に、10代の頃、父親といっしょに被買春女性のもとを訪れたことを公然と語っている。彼のコメディでは、セックスについて、そして、名声を利用して女性を誘惑することについて露骨に語っていた。30歳の時に16歳の少女と性的関係を持ったことも認めている。現在はレイプを含む重大な性犯罪で公判を待っている。こうした状況下では、彼は世間の注目を避けたいと思うかもしれないが、ブランドは宗教に目覚めた。自身の過ちに気づいたと主張し、どうやらそれを世界と共有したいと考えているようだ。

 インタビューの中で、特に印象に残った場面がいくつかあった。モーガンは20年前にブランドに行なったインタビューに言及している。これはブランドが「今年のセックス王」と呼ばれていた時期のことで、彼は自分の女性遍歴について公然と、そして誇らしげに語っていた。

 そのインタビューの中で、彼はモーガンに対し、多くの女性とセックスをするための戦略として、女性がセックスをするのを妨げる「条件を解きほぐす」ことだと語った。彼は女性の羞恥心やプライドに言及している。現在ブランドは、当時の自分は未熟な30歳だった(19歳のようなものだったとコメントしている)と語っている。しかし、モーガンが言及したこのインタビューにおいて、31歳のブランドは、女性がセックスを望むのを妨げる多くの条件が存在することを理解する程度には利口だったのだ。彼がその「諸条件を解きほぐす」という戦略を、16歳の少女に対しても用いたのではないかと、つい考えてしまう。

 ブランドは純粋さと誠実さについて語る。彼はモーガンに対し、「立派な男になれ」と大声で言い放ち、彼を「サタンの片棒を担いでいる」と非難する。多弁で冗長なインタビューだが、時おり仮面が剥がれるような瞬間がある。彼は、刑事告発を受けている状況下では「今年のセックス王」賞などあまり良い印象を与えないだろうと、どこか楽しそうな口調でコメントする。彼は、自分が使う言葉を、恩着せがましく、受動的攻撃性〔攻撃的な態度を露骨には示さず、遠回しに、それとなく示すこと〕でもって説明し、モーガンが否定的な態度を見せると嘲笑する。

 彼はスタッフにミネラルウォーターを頼む(「政府の水」を信用していないためだ)と、かつての傲慢なラッセル・ブランドが姿を現したようだ。ブランドは、何であれ自分の運命と裁判の結果を受け入れると語る。私には、彼は不誠実に見える。大げさな言葉を使い、「真実」という言葉を繰り返すのは、そうすればそれが真実になるかもしれないと期待しているからだ。

 私が語った秘密は、華やかでロマンチックな言葉で語るべきものではない。それらは抽象的な哲学的思索などではない。私の秘密は、虐待、性的暴力、貶め、そして最悪の形で利用されたという感覚に関するものだった。

 ラッセル・ブランドは有名かもしれないが、真実とは形作られるべきものだと考える男は彼だけではない。エゴが暴走している男も彼だけではない。

 若い頃、ある買春者が私に、なぜ売春をしているのかと尋ねたことがある。彼は、私のような「あんなにいい子」がそんなことをしているとは信じられず、何かトラブルに巻き込まれているのかと尋ねてきた。借金があるか、人身売買された被害者かと思ったのかもしれない。いずれにせよ、彼は私とセックスをした。彼の欲望、欲求、エゴは、私の抱えていたどんな事情よりも彼にとって重要だったのだ。私を救おうとしたり、一緒に逃げようとしたりする男も何人かいた。だが、彼らはいつも、当初求めていたものを手に入れて帰っていった。

 私にとっての「真実」とは、高次の力でもなければ、審判の日でもなく、私たちが本当に理解しえない何かでもない。それは「今、ここ」にある現実だ。それは、女性がレイプされていることだ。若い少女たちがダイエット薬を自らに注射していることだ。制服姿の女子生徒が性的な欲望の対象とされていることだ。首絞めセックスが日常化していることだ。女性が自分の家ですら安全ではないということだ。

 これこそが、私が語るべき真実だ。私は現在、アンドルー・ゴールドの『秘密の心理学』を読んでいる。この本は、秘密が持つ力と、それを自分の中に閉じ込めることで引き起こされる被害について触れている。沈黙がもたらす被害を、私は身をもって知っている。そして、加害者を守ろうとして、二度と自分を傷つけるようなことはしない。

出典:https://nordicmodelnow.org/2026/04/29/saviours-truth-tellers-and-power/

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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