【解説】以下のエッセイは、ブラジル人の売買春サバイバーの方が、Nordic Model Now! の「Share Your Story page」に寄せた証言の一つです。Nordic Model Now! の許可を得てここに訳載します。
リリアム・アルトゥンタス
私は子供のときに売春婦になることを選んだわけではない。大人になってからは他に機会がなく、外国に行ってしまったので、自分が夢見ていたものとは違っていても、「娼婦(putanna)」である以上は続けなければならなかった。
「この体は私のもので、私は好きなことをする、売春は仕事だ」と言うのは簡単だ。ただ、その体はある時点で自分のものではなくなる。なぜなら、買春客がその分のお金を払うと、「あなたの体」は彼のものになり、彼は自分のやりたいことをするからだ…。
売春を仕事と考えるべきだと訴えるセックスワーカーは、ほとんどが中流階級の女性で、新しいドレスやファッショナブルな携帯電話のために売春をしたり、晴れた日に繁華街を歩くときに良い印象を与えるために売春をしている..。
そして、合法化に賛成している男たちは、「おもちゃ」を失いたくない駄々っ子のようなものだ。
私がこのように言うのは、現実の売春婦、つまり強要されて入った女性や、極度の貧困という不安定な状況のために入った女性、あるいは『プリティ・ウーマン』のおとぎ話を信じて騙された後、生きのびるための唯一の方法だから入った女性たちは、それが仕事ではないことを知っているからだ。
私たちが求めているのは、たとえ転んでも尊厳をもって起き上がることのできる機会と権利であり、買春豚どもの投げ与える屑をほおばることではない! 売買春は、皮膚の下につけられた傷跡や黒いシミのようなもので、売春をやめた後もけっしてなくなりはしない。
売買春は、世界最古の、そして無視されてきた奴隷制なのだ。
※リリアム・アルトゥンタスは、ブラジル人女性で、現在はイタリアのトリノに住み、ケーキデザイナーとして働いています。人身売買と売春を経験した彼女は、イタリアのラディカル・フェミニストの団体 Resistenza Femminista の活動家でもあります。