CATW声明──「ギルゴビーチ連続殺人事件で買春者の殺人犯に仮釈放なしの終身刑が言い渡される」

【解説】ギルゴビーチ連続殺人事件とは、2010年以降、ニューヨーク州ロングアイランドのギルゴビーチ周辺で複数の遺体が発見された未解決事件で、複数のドラマやドキュメンタリーとしても取り上げられました。その後、周辺の捜索で10人以上の遺体が見つかり、被害者の多くが被買春女性でした。2023年7月、建築コンサルタントで、常習的な買春者であったレックス・ヒューアマン(「ホイヤーマン」「ヒューマン」「フールマン」などの表記もあり)が逮捕・起訴されました。その後、裁判となり、先日、仮釈放なしの終身刑が言い渡されました。この判決に関して、女性人身売買反対連合(CATW)が3日前に出した声明文を紹介します。

CATW、2026年6月17日

 本日、ロングアイランドのサフォーク郡の裁判官は、メリッサ・バーセレミー、メーガン・ウォーターマン、アンバー・コステロ、モーリーン・ブレナード=バーンズ、サンドラ・コスティラ、ジェシカ・テイラー、ヴァレリー・マック、カレン・ヴェルガタの8人の女性を殺害した罪で、レックス・ヒューアマンに判決を言い渡した。ヒューアマンは殺人を認め、仮釈放なしの終身刑を言い渡された。

 記録上17年間にわたり、ヒューアマンは、クレイグリストやバックページといったオンラインプラットフォームを利用し、特に性売買の中の女性たちを標的にして、誰にも捕まることなく犯行を繰り返していた。彼は、性的行為の購入を目的として女性たちに連絡を500回以上取っていたことが判明した。ヒューアマンのような捕食者は、警察の無関心、売買春に従事する人々に対する社会的な偏見、そして買春 (セックスの購入)に対する取り締まりの欠如が重なり、ヒューアマンのような加害者が売春を強いられている女性たちを餌食にしている。

 ヒューアマンの量刑決定の公判では、被害者の遺族7名が法廷で陳述を行ない、愛する娘、姉妹、母親の命を奪った男──そのほとんどが、ヒューアマンに拷問され殺害された当時、20代前半だった──がようやく責任を問われたことに対し、計り知れない悲しみと怒り、そして安堵の念を表明した。殺されたモーリーン・ブレナード=バーンズのは法廷で、殺された妹は「単に殺害されただけでなく、計算尽くされた、想像を絶する悪の犠牲者だった」と述べた。

 メディアの多くは、ヒューアマンの被害者を「セックスワーカー」と表現しているが、この表現は、売買春の中の女性たちに対する殺人が、単なる労働災害と同等であるかのような印象を与えるものだ。米国におけるいくつかの研究によると、売買春に従事する女性が殺人の被害者となる確率は、性売買に関わっていない女性に比べて約18倍高いことが示唆されている。

 性売買は安全な「職場」ではなく、またけっしてそうなることもない。買春者の暴力、虐待、あるいは殺人を犯す可能性を予測したり、選別したりすることは、不可能ではないにせよ、せいぜい不確実なものである。ヒューアマン自身も、マンハッタンで成功した建築コンサルタントであり、良き家庭人であるという身分によって守られていた。

 私たちの選出された公職者、法執行機関、そして社会全体は、性売買において売買される人々を依然として無視し、見捨て続けている。その主な原因は、女性と少女の商品化を「当たり前」とし、男性の性的特権を黙認する文化にある。

 「ギルゴビーチ殺人事件」は、早急な変革を求める警鐘である。私たちは、性的虐待や搾取の加害者に責任を問う法律と司法制度を必要としている。性売買で搾取された人々に対する不当な逮捕や投獄を終わらせ、サバイバーが暴力から解放された生活を送れるよう支援する、トラウマに配慮したサービスを提供しなければならない。これは、ヒューアマンの被害者たちが奪われた人権である。

出典:https://catwinternational.org/2026/06/long-island-gilgo-beach-serial-killer-and-sex-buyer-rex-heuermann-sentenced-to-life-in-prison-without-possibility-of-parole/

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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