ニュージーランドがようやく中絶を非犯罪化

 昨日、『ガーディアン』にびっくりするようなニュースが掲載されていました。あのニュージーランドが、昨日、ようやく中絶を合法化(非犯罪化)したというのです! ニュージーランドは、今から20年も前に、非犯罪化するべきではない売買春を非犯罪化しておきながら、他の欧米諸国では遅くとも1970年代には合法化(非犯罪化)されていた中絶を、今ごろになってようやく合法化したというのです。

https://www.theguardian.com/world/2020/mar/18/new-zealand-passes-landmark-law-decriminalise-abortion

 同じような傾向は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にもあって、ニュージーランドの次に売買春を非犯罪化した同州でも、中絶の非犯罪化法案が可決されたのは、ようやく昨年の9月の州議会においてです。

https://www.theguardian.com/australia-news/2019/sep/25/abortion-decriminalisation-bill-passes-nsw-upper-house

 中絶を犯罪化したまま、売買春だけ他の国に先駆けて非犯罪化する、なんとも醜悪な構図ですが、これはおそらく保守派とリベラル派の妥協の産物であると思われます。リベラル派は、中絶の非犯罪化よりも売買春の非犯罪化を優先させ、保守派のモットーである中絶の非合法性を維持するという妥協と引き換えに、売買春の非犯罪化を実現し、保守派は保守派で、中絶の非合法性を守るために、売買春の非犯罪化に関してはリベラル派に妥協したのでしょう。双方のミソジニーが折り合いをつけ、相互に結合したことで、中絶が犯罪化されたまま売買春だけが非犯罪化されるという最悪の事態が、長年来にわたって続いてきたのです。

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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