レベッカ「ベルリンの美容師として20年間に売買春について学んだこと」

【解説】以下のエッセイは、売買春が合法化されているベルリンの美容師が書いた手記で、Nordic Model Now! のサイトについ最近に掲載されたものです。Nordic Model Now!とレベッカさんの許可を得たうえで、その全訳を以下に掲載します。

レベッカ

Nordic Model Now!, 2021年1月8日

 自発的に売春を選ぶ人の割合は非常に低いのではないでしょうか?

 私は人身売買の巣窟であるドイツの出身です。私の住むベルリンの街を見渡すと、人身売買された女性や少女たちをそこら中で目にすることができ、本当に心が痛みます。ほとんどがバルカン諸国からの人身売買を通じて連れてこられた人々で、より良い未来が約束されていたのに、売春婦にされてしまい、生きていくために1回10ユーロ以下で「仕事」をしているのです。

 私は20年間美容師として働いてきましたが、その間ずっと、売春に関わる女性たちが私のお客さんの中にいました。精神的にも肉体的にも打ちのめされていて、ドラッグの助けを借りてでしか日常生活を送ることができず、悪循環に陥ってしまう女性たちです。彼女たちは、抱きしめて話を聞いてくれる人を必要としています。

 ベルリンには12歳から16歳までの少女や少年が売春をしている通りがあることを私は知っています。街の公園には異性愛者やゲイの売春者がたくさんいて、違法に売買されたり、難民として人身売買されたりしています。また、普通の集合住宅にある「アパート売春店」も忘れてはいけません。そのドアの向こうで何が行なわれているか誰も知りません。

 ピンプやマフィアにお金を払わなければならないために、半殺しの目に遭っても「働き続けている」女性たちを見るとき、また、後部座席にチャイルドシートをつけた車を運転する男たちが、10ユーロで女性をレイプするために一時的に停止しているのを見るとき、社会に対する見方が変わるだけでなく、男性に対する私の見方も変わってきました。

 ドイツでは売買春は合法です。「運良く」合法の売春店で働くことができた人は、健康保険に加入し、税金を納めています。だからこそ、政府は目をつむるのです。「税金を納める商売」として繁栄しているからです。

 ですから売春やポルノは常に「自由な選択」として宣伝され、ちょっとみだらな魅惑を持った正規の仕事というシールが貼られるのです。そして、これらの女性たちは魅惑的な生活を送り、ちゃんと保護され、きちんと管理されていると示唆されます。しかし、ほとんどが人身売買され強制されているのですが、そんなことは誰も気にしません。路上で働いている女性たちは、私たちの社会にとって価値のない汚物というレッテルを依然として貼られています。

 政府はこの奴隷制度の一部であり、それを利用する世界中の男たちは、この事実を無視するのに懸命です。なぜなら、彼らにとっても真実はどうでもいいことだからであり、むしろ真実に直面することは、おそらく、すっかり失われた道徳的指針を思い出させることになるからです。

 以前、ある男が会話の中で「なに? 人身売買? いつも彼女らは楽しんでいると思ってたけど。悲しそうには見えないよ」と言っていました。そう、私は美容師として働いていて、私も1日24時間、週7日幸せそうに見えるでしょう。なぜなら、美容師として成功してお金を稼ぐにはそうしないといけないからです。

 結局、私たちが人々にどう接するかは、個人のモラルと社会のモラルを反映しているのです。それは心が痛むことです。売買春に囚われている人々はみな、誰かの子供であり、妹であり、母親であることを常に心に留めておくべきです。彼女たちは他の人と同じように、愛される価値のある人間なのです。彼女たちがみな一人残らず、売買春からの出口を見つけ出して、愛するパートナーや家族を得て、良い人生を送れることができるなら、どんなに喜ばしいことでしょうか。

 振り返ってみると、私の美容師人生には常に売買春の中の女性たちがいました。美容師見習い時代もそうです。その頃、南ドイツに住んでいて、サロンの隣にはテーブルダンスクラブがあり、閉ざされたドアの向こうにはもっと多くのものがあることをみな知っていました。

 土曜日に小さなバンがやって来て、「新鮮な肉」が届けられると冷酷に言われていました。そのたびに月曜日に私が髪を担当した女の子が姿を消して、「新入り」がそこに座るのです。

 悲しいことに、これらの出来事はドイツではほとんど「普通」のことであり、その裏にある物語が見えなくなってしまうのです。

 しかし、これらの悲しい経験は、私たちが他の人間をどのように扱っているかについて、多くの点で目を開かせてくれました。

出典:https://nordicmodelnow.org/2021/01/08/what-i-learned-about-prostitution-in-20-years-as-a-hairdresser-in-berlin/

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。