【解説】これは、スコットランドの元大臣であるアッシュ・リーガン(旧姓はデナム)議員が、スウェーデンの北欧モデルに基づいて買春行為の違法化を求めるキャンペーンを展開していることを伝える最新のニュース記事です。スコットランドで、北欧モデル型の立法制定の機運が高まっていることについては、すでに当サイトの2020年9月の記事で紹介しました(アッシュ・デナム議員のこともそのポストには出てきます)。そして、スコットランド国民党は当初、この北欧モデルの導入を公約として政権に就きましたが、同党の党首であったニコラ・スタージョン首相はその後、セックスワーク派とトランス活動家たちの圧力に屈して、結局、この公約を投げ捨ててしまいました。しかし、北欧モデル型立法の成立を求める動きがなくなったわけではないことを、この記事は示しています。
『ヤフーニュースUK』2023年10月16日
スコットランド国民党(SNP)の元指導部で有望株のアッシュ・リーガンは、買春を刑事犯罪とすることを求めている。同党の国会議員で元地域安全大臣である彼女は、スコットランドにおける買春をなくすために「買えない(Unbuyable)」キャンペーンを展開している。
現在、売買春に関連する行為(「〔買春目的で〕道路わきを車で徘徊すること」、公衆の面前での売春の勧誘、売春店の経営など)は、国境の北側〔スコットランド〕では違法とされている。しかし、セックスの売買そのものは合法であり、ネットを通じたピンプ行為〔他人に売春させて第三者が利益を得ること〕も合法である。
リーガンはUnbuyable.orgでキャンペーンを立ち上げ、セックスの購買〔買春〕を犯罪化する新しい法律を制定しようとしている。
「『買えない(Unbuyable)』は単なるキャンペーン以上のものであり、スコットランドにおける女性と少女の組織的搾取をなくすための明確な呼びかけなのです」と彼女は『ナショナル』紙に語る。「私たちは、人間の尊厳を譲ることのできない社会、女性と少女が売り物にならない社会を作るために活動しています。公的な支援があれば、この野望を現実に変えることができるのです」。
「買えない(Unbuyable)」のサイトで、リーガンはこう付け加えている――「社会として、私たちは、性を買うことは被害者のいない行為ではないという不快な真実と向き合わなければならない。それは、けっして消えることのない傷跡を残す搾取の一形態なのです」。
「私の使命は、スコットランドにおいてこの慣習を終わらせ、人間の尊厳が、取引可能な商品ではないことを保証することです。みなさんとともに、誰もが真に『買えない(Unbuyable)』スコットランドを築き上げましょう」。
スコットランド政府の2021~22年政府計画には、「男性の買春需要に効果的に取り組み、それに挑戦するスコットランド・モデルを開発する」という公約が含まれていた。しかし、この公約は、2022~23年と2023~24年の最近の2つの政府計画からは姿を消していた。
2022年、スコットランド議会の「商業的性搾取に関する超党派議連」のジャッキー・ストイル事務局長は、スウェーデンが1999年に買春を違法化したことに言及した。「それ以来、人々の態度が変わり、今ではスウェーデンで買春する男性は0.29%しかいません」と彼女は『スコッツマン』紙に記事を寄稿し、それに対してイギリスでは男性の10%以上がセックスにお金を払うことを認めていると付け加えた。
スウェーデンの法律は現在、「北欧モデル」として知られており、TARA(人身売買啓発同盟)、エンコンパス・ネットワーク(Encompass Network)、ルートアウト(Routes Out)、スコットランド人身売買サバイバーズ(SOHTIS: Survivors of Human Trafficking in Scotland)などの団体は、以前からスコットランド政府に対し、同様の道を歩むよう求めてきた。
女性に対する男性の暴力をなくすためのキャンペーンを展開している慈善団体「ゼロ・トレランス」は、2011年に弁護士のフィリッパ・グリアが書いたブログ記事の中で、スコットランドの現行法は「役立たずで、矛盾しており、公共の迷惑という懸念を優先させることで売春婦を逸脱者として描き出している」と述べている。
セックスの販売に関連する公然行為は犯罪とするが、購入そのものは犯罪としないことで、スコットランドの法律は女性をより危険な状況に追い込んでいるとの懸念をグリアは示した。彼女はこう書いている。
「そのような行為が公衆の面前で行なわれることが、犯罪を構成するとされており、これは、売春婦が被った本質的な被害を見過ごすものであるだけでなく、このような犯罪構成は当事者女性に危害が及ぶ危険性をむしろ高めている。売買春の中の女性たちは、客を見極める時間が少なくなり、周囲の注意を引くのを避けるために進んで車に乗ることも多くなるからだ」。
「また、売春婦を監視カメラや警察、他の売春婦の目の届かない、人目につきにくい場所に追いやることになる」。
リーガンの「買えない(Unbuyable)」キャンペーンに関する詳細は、こちらのサイトを参照してほしい。
出典:https://uk.news.yahoo.com/clarion-call-ash-regan-bids-161519293.html