コロンビアの最高裁が画期的な判決──売買春は労働ではなく差別と暴力の実践

【解説】先日、コロンビアの最高裁は、4人の未成年者に対する性的搾取事件に関する裁判の判決において、未成年者の買春だけでなく、成人を含む売買春一般に関して、それは労働や単なる商業的活動の一形態ではなく、性的搾取であり、差別と構造的暴力の一形態であるとの画期的な見解を示しました。そして、業者やピンプだけでなく、買春者もまた責任を負う立場にあるとの見方を提示しました。これは北欧モデルにもとづくものであり、コロンビアの刑事司法システムに対して大きな影響を持つものとなるだけでなく、国際的にも有益な影響を与えるものと見られています。この日本でも買春処罰に向けた法改正の動きが本格化しつつあり、コロンビアでのこの最高裁判決はそうした動きに拍車をかけることになるでしょう。以下では、コロンビアの大手ニュースサイトである「RTVCニュース」の記事を翻訳紹介します。

RTVCニュース
2026年5月13日

 この判決は、加重商業的性的搾取および14歳未満の未成年者に対する性的虐待の罪で有罪判決を受けたルイス・カルロス・トロ・カノの弁護団による異議申し立てを受けて下されたものだ。裁判の証拠により、被告がメデジン市で、11歳から13歳の少女3人と少年1人に金銭を提供し、性的行為を行なわせていたことが立証された。

 また、裁判所は、起訴された両行為、すなわち未成年者に対する商業的性的搾取の要求と性的虐待行為は、同時に成立しうる独立した犯罪であるとし、同一の事実に対する二重起訴であるとする弁護側の主張を退けた。

「人は消費のための商品ではない」

 おそらくこの判決で最も重要な点は、有罪判決そのものではなく、裁判所が性的搾取という現象を中心に構築した概念的枠組みだろう。判決の核心的な部分の一つで、裁判所は「いかなる種類の対価や利益を介してであれ、成人によって性的目的で利用される18歳未満の者はすべて、性的搾取の被害者とみなされなければならない」と断言している。グレーゾーンはなく、合意に基づく取引などありえない。

 しかし、その分析はさらに踏み込んでいる。判決は売買春一般に対して明確な立場をとり、これを「抽象的な意味において中立的または自発的な活動として理解することはできない」と指摘している。それどころか、売買春を「性に基づく不平等と差別のシステムであり、歴史的に不平等な権力関係を再生産し、暴力の一形態を形成する」ものと定義している。

 この見解を裏づけるため、最高裁は国連の女性および少女に対する暴力に関する特別報告者リーム・アルサレムによる2024年の報告書を引用し、国際人権法の基準をコロンビアの法的推論に取り入れている。

 判決はまた、性産業の存在が、女性や少女の身体が経済的に評価されるという集団的イメージを定着させ、人々の物化や商品化という慣行を正常化させる一因となっていると指摘している。

なぜこの区別が重要なのか

 未成年者への性的アクセスに対して金銭を支払う者を「顧客」と呼ぶか「搾取者」と呼ぶかの違いは、単なる言葉の遊びのように思えるかもしれない。しかし、そうではない。そこには、極めて重大な法的、社会的、象徴的な意味合いがある。

 刑事上の観点から、「直接的な搾取者」という分類は、より重い非難を意味し、加害者を単なる商取引の参加者として描こうとする弁護戦略の余地を閉ざす。過去には、未成年者が「同意した」とか「合意があった」といった主張が、刑罰を軽減したり、容疑を覆したりするために利用されてきた。

 公共政策の観点から、この判決は、犯罪の予防および取締り戦略が取るべき姿勢について、コロンビア政府に明確なメッセージを送っている。すなわち、性的搾取を「提供する」者や「助長する」者を処罰するだけでは不十分であり、需要を生み出す者もまた、主たる責任者として扱われなければならないということだ。

 国際的に見れば、コロンビアは、売春を行なう者への刑事訴追に焦点を当てるのではなく、北欧やフランスのモデルを筆頭に、性的サービスの購入者を処罰することを選択したますます増大する国々の流れに合流したことになる。この「廃止主義モデル」あるいは「北欧モデル」として知られるアプローチは、「需要があるところには搾取がある」という前提に基づいている。

地域的背景と予想される影響

 コロンビアは、ラテンアメリカにおいて、児童・青少年の性的搾取に関する最も憂慮すべき指標の一つに直面している。コロンビア家族福祉研究所(ICBF)や「フンダシオン・レナセル」などの団体のデータによると、観光客の多い州、武力紛争地域、国境地域に、記録された事例の大部分が集中している。

 最高裁の判決は、いくつかの面で影響を及ぼす可能性がある。

 司法面では、第一審の裁判官は、性的搾取の加害者に対する有罪判決を強化し、併合罪に関する解釈上の曖昧さを排除する拘束力のある判例を得ることになる。

 立法面では、この決定により、未成年者だけでなく成人の性的搾取に関する訴えを、より明確に犯罪として規定することについて、議会での議論が促進される可能性がある。これは、コロンビアの法体系において依然として存在する空白である。

 社会面では、法的な用語の再定義、すなわち「客」から「搾取者」への転換は、性的搾取の責任者と被害者が誰であるかという一般の認識に浸透し得る象徴的な価値を持つ。

 人権団体や児童保護団体はこの判決を、期待を込めて前向きに受け止めているが、その実質的な影響は、依然として大部分が闇に埋もれたままのこの種の犯罪を検知し、司法処理する国家の捜査能力にかかっていると警告している。

出典:https://www.rtvcnoticias.com/justicia/fallo-historico-de-la-corte-suprema-la-prostitucion-no-es-una-actividad-laboral-es

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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