現実と統計を無視するセックスワーク派――ジュノ・マックへの反論

【解題】以下の論考は、私たちがいつも目標にしているイギリスのアボリショニストのサイト「Nordic Model Now!」に2017年に掲載された無署名の論考「Lies, Damn Lies and Ignoring Statistics: How the Decriminalisation of Prostitution is No Answer」の全訳です。わかりやすいように表題を少し変え、また小見出しを増やしました。

Nordic Model Now!、1 October 2017

 ジュノ・マック〔TEDの講演の日本語版では「トニ・マック」と表記されている〕は「セックスワーカー」だ。彼女には言いたいことがたくさんある。昨年〔2016年〕ロンドンで行なわれたTEDの講演日本語版)で、マックは、自分の経験について率直な説明を与え、「性産業」の仕組みに関する多くの洞察を提供し、どのような法律が自分とその同僚の両方を保護するために制定されるべきであるか、または制定されるべきではないかについて語った。

 これは明らかに歓迎すべきことだ。第一次目撃者の証言は、プロの研究者や学者はもちろん、真実に関心を持つ誰にとってもきわめて貴重なものだ。しかし、彼女は正しいだろうか?

 マックは、「セックスワーク」を全面的に非犯罪化しようとする運動を象徴している。彼女は自分が「イギリス売春婦コレクティブ(ECP)」(売春婦でなくても参加できる不思議なグループ)のメンバーであることを引き合いに出して、「産業」のよりひどい要素、主に「客」からの暴力と社会的・法的排除を抑制することを目的とした自由化政策を支持している。

 このような議論は近年、左翼分子のあいだでますます人気を博しており、それに不利な証拠を無視して、あえて論争的な立場をとることで一種の威信を得ようとする政治的「流行(ファッション)」に身を委ねがちな人々に好まれている。たしかに、かつてタブー視されていたテーマにこのような挑戦的態度を取ることは、非常にきわどいように見えるかもしれない。それは間違いなく大いに注目を集め、頑固な保守派のあいだで眉をひそめさせることになるだろう。だがそれだけでそうする価値があるのだろうか?

 もちろん、そんなことをするのは、その分析それ自体がうんざりするほど浅薄な場合のみである。問題はそこにある。そこで提供されている分析は実に薄っぺらいのだ。マックの議論は正しくないし、いたるところで「セックスワーカー」のスポークスウーマンとして自分自身を提示するのは実に不誠実である。「セックスワーク」は、単に他の業種や仕事の一つではないだけでなく、その中に巻き込まれた人々の大多数によって広く支持されたり称賛されたり「仕事」とみなされているわけでもない。これらの人々はマック式の改革を求めていない。彼女たちはただそこから抜け出したがっている。

  統計と調査が物語る真実

 いくつかの統計を見てみよう。マックは「世界中からメッセージが来ている」と主張する。大いにけっこうだ。しかし、「セックスワーク」に関する最近の研究――それに参加した研究者たちは実際に世界各地で当事者たちと話をした――はマックの主張と真っ向から矛盾している。この調査の対象となった女性たちは調査の機会をとらえて熱心に非犯罪化を主張するどころか、尋ねられた人々の89%がこの業界から完全に抜け出すことを望んでいた。

 調査対象となったのはけっして少ない人数ではない。この調査では、南アフリカからカナダまでの9ヵ国、合計で850人以上の人々にインタビューが行なわれた。大多数の人がこの苦境から脱け出しだいと思っているだけでなく、回答者の70%以上が身体的な暴行を受けた経験があり、63%がレイプされたと回答している。75%がホームレスになった経験があり、さらに68%がPTSDに苦しんでいた。合法化の試みに賛成したのはわずか34%で、残りの人たちは自分たちの状況を「あれこれいじくり回すのではなく、逃げ出すべきもの」と考えていた。

 マックの考える非犯罪化に近い、より「リベラル」な法的アプローチを採用している国で売買春に従事している人たちでさえも、暴力事件が繰り返されていると報告している。オランダの回答者は、60%が身体的暴行を受けた経験があり、70%が言葉による虐待を受けた経験があり、40%の回答者が、意に反して身体的に「売買」を強要されたと回答している。

 別の調査でも同様の結果が報告されている。インタビューを受けた人の約半数が暴力を第一の関心事として挙げており、20%以上の人が「客」から暴行を受けた経験を語っている。さらに、オランダの売春婦のかなりの規模の少数派は、性的同意年齢に達していない年齢から仕事を始めたと考えられる。

 さらに、地方自治体は、オランダの性産業と犯罪集団との間に明確なつながりがあることを認識しており、とりわけ人身売買は反復的で永続的なものとなっている。ある分析によると、オランダの合法化された売春店は、現在、国境を越えた人身売買の文字通りの「磁石」になっているという。

 マックはまた、ニュージーランドでの非犯罪化についても熱く語っている。しかし、これにも問題がある。かつての非犯罪化の提唱者による説明は異なったストーリーを描き出している。それによると、ニュージーランドの性産業はピンプによって独占されており、競争が激しく、搾取的な労働条件であることが多くの証拠によって示されている。売春女性に対する暴力もニュージーランドで一貫した見られるものだ。人身売買、とくに先住民族の子供の人身売買も、ニュージーランドの政治的景観を構成するものとして存続しており、ニュージーランドは強制労働、性的奴隷を含む最終目的地であり続けている。

 マックはそのような「細部」を避けようと骨を折っている。実際、彼女は、性産業そのものではなく、人身売買業者による「特殊な虐待」のみを対象とした法律を制定するよう求めることであらゆる懸念を払拭し、こうした問題を巧みに回避しようとしている。

 これは問題である。人身売買被害者の膨大な割合が、彼女が正当化しようとしている業界に巻き込まれているという単純な理由からしてもそうだ。それどころか、売買春の合法化は、買春需要の高まりとリスクの軽減が犯罪集団を刺激するので、実際のところ人身売買の発生率を高めることが立証されている。マックはこのことに触れていない。

 人身売買グループによる搾取以外でも、表向きは「非犯罪化」された環境の中で活動していても、売春女性自身が常習的に無数の虐待を受けている。何とか砂の上に線を引いて、このような産業に内在する暴力や強制を、仮定の上で(そして架空の)合法的な「取引」から切り離そうとするのは、まったく奇妙な立場を取ることを意味する。

  人身売買、不法移送、合法売買春

 マックはまた、時に人身売買と人の不法移送とを混同するという、よくある間違いを犯している。両者は別物であり、彼女はこのような問題の権威であるかのように自分を売り込んでいるのだから、この違いを認識していて当然である。実際、人の不法移送は比較的良心的な(厳密に言えば違法ではあるが)活動である場合さえある。不法移送業者は、現金の支払いと引き換えに、国境を越えて個人を運ぶ。この作業が完了した時点で、一般に不法移送業者と移送された人との関係は終了する。人身売買にも同様の移送行為が含まれるが、目的地に到着した後は、常に詐欺ないし強要のいずれかを伴うのであり、両者を切り離すことはできない。そして最終的には、何らかの形態の強制労働が行なわれる。

 これは衒学的に見えるかもしれない。しかし、この違いは重要だ。人の不法移送は、かなりの割合で同意を伴うものであり、時には、移送される人にとって非常に有益であることもある(すぐに思いつくのは、紛争地帯からの脱出の場合だ)。人身売買は、似たような方法を利用しているように見えるかもしれないが、それは常に捕食行為であり、目的のための手段として暴力と搾取が伴う。マックがこの2つを混同するのは大いに問題だ。

 人身売買も混乱させられているテーマだ。「モラルパニック」(「モラル」という言葉を使うことは、実際には大して重要ではないということを意味しているようだ)と揶揄されることもあるが、人身売買に関する研究は、しばしばたくさんの問題に直面する。さらに、いくつかの情報源によると、地方自治体がこの問題の大きさに気づいていないか、あるいは無関心であるため、法執行機関から統計を集める上で支障があると報告されている。

 いくつかの特殊なケースでは、当局自身が人身売買グループに関わっていたことが明らかにされている。2010年にロシアで行なわれた調査では、複数の警察官が移民労働者を拉致して第三者に売り渡していたことが明らかになっている。これは極端な例ではあるが、問題の深刻さを明らかにすることの難しさを浮き彫りにしている。

 しかし、われわれはいくつかの推計値を持っている。国際労働機関(ILO)の控えめな推計によると、人身売買の被害者は約2100万人で、そのうちの約450万人が性産業にいるという。ヨーロッパでは、ILOは人身売買のほとんどが性的搾取に関係していると推定している。これは、マック一派にとって直接の問題関心であるはずのものである。

 ここでは、ドイツの状況が直接関係している。オランダと同様に、ドイツも近年、無数の非犯罪化措置を実験的に実施しており、しばしば「進歩的な」改革の一例として称賛されている。しかし、実際には、実態を見る労を取った者にとって状況はちょっと異なる。ドイツは、人間の身体の販売を正当化する上での成功例なのではなく、ヨーロッパ全体で人身売買の主要な目的地の一つとなっているのである。

 それだけでなく、研究者たちは、ドイツの性売買に対する「リベラル」な立場と、人身売買の流れの顕著な増加を決定的に結びつけている。もう一度言うが、売買春の自由化により、ドイツでは人身売買がはっきりと増加しているのだ。

 これは不用意な誇張でも「道徳的」な暴言でもない。関連する研究調査を見るだけで、私の言っていることへの疑問を和らげてくれるはずだ。少し考えただけで次のことはわかりそうなものだ。人身売買業者は、結局のところお金を求めリスクの軽減を追求しているのだから、市場が拡大し、法的ハードルが低下すれば、それに応じて、熱心な(そして法的に拘束されていない)より多くの客たちにより多くの「商品」を提供することになる。簡単に言えば、「性売買」を非犯罪化することで、大いに儲かる市場があっという間に生まれる。そして人身売買業者はそれに応じて商売を拡大する。

 具体的にドイツの売買春に囚われた人々の出自を見てみよう。ドイツで生まれ育った者に加えて、旧東側ブロックの出身者が大勢いる。ポーランド人、ウクライナ人、ロシア人などだ。オランダでも同様の組み合わせが見られ、地元の研究者は、「不法に従事している」(人身売買の疑いがある)人々は、旧ソ連の国から来ていることが多いと主張している。

 「セックスワーク」のみならず、人身売買そのものの背景にある要因を説明する上で、特にこの点に大きな関心が集まっている。これは、マックを含む多くの人が間違いなく避けたいと思う明らかに「流行ではない」話題である。それでもそれは重要なのだ。

  「歴史の終わり」と現代奴隷制の台頭

 ソ連の崩壊によって生じたのがより健全な政治ではなく、純粋な捕食の匂いがする略奪的政策であったのは周知の事実である。冷戦での明らかな勝利を誇示する一方で、西側の多くの評論家たちは、1990年代の大部分にわたって旧東側ブロックで起きていた惨事を観察することができなかった。現在の状況に直接関連しているのは、このような出来事が、しばしば明らかにジェンダー的な性質を持っていたことである。すなわち、旧ソ連の女性たちが貧困と国際人身売買の犠牲者になったことである。

 その理由を理解するのは難しいことではない。貧困が売春の発生の原因であることすでに十分実証されている。マック自身も、経済的困窮が売春店で仕事をするという自分の決定の背後にあったことをあっさりと認めている。彼女はけっして例外ではない。はっきりしているのは、旧ソヴィエトの場合、膨大な人身売買の突然の出現が、欧米によって示唆された数々の諸改革にもとづいていたことだ。これらの改革は古い国家経済を粉々にし、何百万人もの人々を苦難に陥れた。

 統計がそれを物語っている。1995年から2000年の間に、約50万人もの旧ソ連の女性が、複数の国で「性産業」に商品を供給する人身売買業者の餌食になった。これには、控えめな言い方をすれば経済的・社会的カオスが伴っていた。1992年からロシアの工業生産高は長引く大不況に見舞われた。1992年に工業生産高は約15%減、1993年には12%減、翌年にはさらに20%減となった。ソ連崩壊後のわずか6年間で、ロシアの生産能力はトータルで1991年の約40%にまで縮小した。

 ますます略奪的で搾取的なものになっていく経済的雰囲気のもとで、資本逃避が幾何級数的に増大し、1998年には年間500億ドルのピークに達した。賃金の現金払いは著しく減少し、膨大にインフレ化した通貨を流通から引き出そうとするパニックが起こり、賃金支払いの滞納額は1992年半ばには600億ルーブルを超えた。

 個々の市民への影響も甚大であった。失業が急増し社会的解体が進んだことに加えて、消費財の約90%、工業製品の約80%が国家の価格規制から離脱した。蔓延する経済的混乱は、場合によっては、店頭に並ぶ商品が元の価値の約500パーセントにまで上昇する事態をもたらした。このようにして1990年代初頭には、生活水準が急速に低落し、20世紀の大部分に見られたものとはおよそ異なる様相を呈した。

 貧困状態にあるとされた人々が、旧ソ連全体を通じて、1990年から1999年にかけて3000万人も増加したのも驚くべきことではない。中央アジアの諸共和国が最も深刻な打撃を受けた。1998年に実施された追加調査では、ロシアの人口の36%(5330万人)が「基本的な生存の必要性」を満たすための物資を得るのに苦労していることが明らかになった。

 ハンガリーでは、国家の補助金廃止を目的とした同様の措置が取られ、それはとくに工業製品の急激な価格上昇を促し、それまでの水準の830%にも達した。ロシアと同様に、このプロセスはIMFによって促された目的と直接関連しており、財政の安定化が最優先事項と考えられたため、これまでの国家信用、福祉、公共事業支出が一律に削減され、雇用と社会福祉に壊滅的な結果をもたらした。

 医療サービスも大きな打撃を受けた。ポーランドはその好例で、家計支出に占める医療費の割合が1991年の18%から1993年には46%にまで跳ね上がった。高齢者をはじめ公的年金を受給していた人々は、急上昇するインフレに対処することができなかった。リトアニアからルーマニア、ポーランド、チェコ共和国に至るまで、多くの国で実質賃金が大幅に低下したため、生活水準はさらに深刻なダメージを受けた。ルーマニアとブルガリアの場合、このような改革の影響は本当に驚くべきもので、1990年代半ばまでに総人口の約50%が貧困状態に陥った。

 しかし、このような困窮は、人口のすべての部分に等しく当てはまったわけではなかった。男性の経験を過小評価するわけではないが(特にロシアの男性は、この時期に平均寿命の顕著な低下が見られた。1980年代には約70歳だったのが1990年代初頭には58歳にまで低下した)、とくに失業の負担に関しては、女性にとりわけ重くのしかかったようだ。1990年代前半のロシアの失業者の約70~80%が女性だったと考えられているが、1995年にはやや減少して68%となった。実際、10年後の1997年になっても、ロシアの失業者の大部分は女性であり、女性は「隠れた失業者」の大部分を占めていた。これは、公式には働いているが、一貫して適切な賃金払いを拒否されている人々のことである。

 学者のウェンディ・レイン氏によると、「経済的移行の影響」が「女性が現在陥っている恐るべき状況」の原因であり、特定の貧困地域の失業者の90%が女性である。これはいくつかのケースでは、ソ連の産業の発展の仕方を反映していると思われる。というのも、1990年代初頭以降、解雇や閉鎖の影響をとくにこうむっていた繊維産業などの特定の経済分野に女性労働者が集中していたからである。

 2002年に実施された調査では、ブルガリア、ポーランド、スロバキア、ルーマニアでは、経済的困窮の点で大きな男女格差が存在しており、ポーランドで最も顕著であることが明らかになった。1990年代後半のモルドバのケースでは、女性は男性よりも3倍も仕事を失う可能性が高く、総人口の58%がすでに貧困ライン以下で生活していると考えられていた。以上を踏まえると、女性の置かれている状況は恐るべきものであったと思われる。

 このような現象がどれほど続くことになるのかは複雑な問題である。市場経済への移行という文脈における経済活動の初期の落ち込みに伴い、雇用機会の減少は、ジェンダーの不平等に関連する既存のパラダイムと交差し、最終的には女性の失業を悪化させ、貧困に明確にジェンダー化された意味合いを付加しているように見える。

 さらに、より大きなジェンダー平等を目指した以前から有益な福祉政策(育児の国家支援はその一例である)が削減されたり全面的に否定されたりしたことは、ポストソビエト社会で女性が直面している状況をさらに悪化させ、貧困の緩和や一貫した雇用の機会を減少させた。

 これが人身売買や「性売買」とどのように結びついているのか? 人身売買が経済的困窮と結びついていることは繰り返し明らかにされている。そのことを踏まえれば、1990年代の悲惨な状況と人身売買活動の途方もない急増とが結びついていることを理解するのに、大して思考力を必要とはしない。簡単に言えば、人々は貧困から逃れようとしていたし、今も逃れようとしているが、時に、「他の所にはいい仕事があるよ」という偽りのオファーに騙されたり、一部の人々が熱心に擁護している性産業に巻き込まれたりしている。その結果、広大なスケールでの悲劇が起きたのだ。

 ここでも統計が参考になるだろう。2001年の時点で、年間約12万人の女性と子供が西ヨーロッパで人身売買されており、その多くは旧ワルシャワ条約加盟国の出身者である。性売買を合法化した法律は、人身売買をしやすい環境を作ることが証明されていることを踏まえるなら、旧ソ連の状況と、ヨーロッパの拡大する「性売買」における現代奴隷制の増殖には、直接的な関係がある。犠牲者の数の多さは言うまでもなく、統計がそれを証明しているように思われる。

  非犯罪化の神話

 例によって(そしてまったく予想通り)、ジュノ・マックはこのようなことにいっさい触れていない。実際、彼女は上記のような恐るべきエピソードを完全に避け、地政学、歴史、経済のいっさいを飛び越えて、世界中の「セックスワーカー」の代表として自分自身を見せかけることに集中している。

 しかし、彼女は孤立していない。性産業の「非犯罪化」というメッセージは、「人権」グループであるアムネスティ・インターナショナルが現在こうした政策を支持していることから、しだいに受け入れられるようになってきている。著名人の政治家のあいだでさえこのメッセージは反響を呼んでいるようで、ますます支離滅裂になっているジム・ジェフリーズは、彼のリベラル界隈での信用を高めるための手段として、昨今、「売買春の合法化」を支持するようになった(その一方でオーストラリアでの人身売買についてあからさまに嘘をついている)。実に憂鬱なシナリオだ。

 しかし、楽観論の根拠もいくつかある。非犯罪化推進派がこのような明らかに薄っぺらい議論を主張しているかぎり、反論するのはそれほど難しくない。一例としては、「北欧モデル」に対するマックの不毛な攻撃、具体的には、それが売春婦が直面している状況を支援するために何もしていないという主張とか、破棄されるべきだといった主張がそうだ。当然のことながら、彼女は北欧モデルの法体系が人身売買をある程度抑制し、「セックスワーク」に頼らざるをえない女性の総数を減らし、またある情報源によれば、女性に対する凶悪犯罪の数を減らしたという事実を無視している。一事が万事この調子である。

 それでもなお、非犯罪化に賛成する論拠は根強く残ると思われる。これまで見てきたかぎりでは、このような政策の推進者は総じて実際の現実についてあまり気にしていないようだ。彼らの方法は相手に選択的で党派的なレッテルを貼ることである。彼らは、自分たちに同意しない人々に対して「堅物」「モラリスト」(!)、さらに奇妙なことに、「娼婦フォビア」だとの非難を投げつけることによって、自分たちの議論をセンセーショナルなものにし、相手を人格攻撃する。

 しかし、そのようなヒステリックな攻撃の外には、売買春がジェンダー化された暴力、心理的トラウマ、レイプ、奴隷制度、貧困と絡み合っていることを示す「流行的」ならざる現実が存在する。売買春の非犯罪化はこのような害悪と闘うのには役立たない。むしろそれは状況を悪化させる一方だ。以上のことはすべて検証可能だ。あなたがなすべきことはインチキ宣伝を超えて、現実を見ることだ。剥奪、搾取、蔓延する虐待に基づいている性産業を改革することで飼いならすことができるという神話は、単なる神話でしかない。

出典:

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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