【解説】以下は、スペインのガリシア州で発行されているスペイン最古の日刊紙『ファロ・デ・ビゴ(Faro de Vigo)』に掲載された最近の記事の翻訳です。売買春サバイバーで現在はアボリショニストの活動家であるアメリア・ティガヌスさんの文章はすでに1本、このサイトで紹介していますので、そちらも参考にしてください。
ダニエル・ヴァッレ
『ファロ・デ・ビゴ』2026年9月23日
17歳で勧誘されたアメリア・ティガヌスは、23歳になるまでスペイン全土の40カ所以上の売春店で性的搾取を受けた。これは、2024年にスペイン平等省が実施した大規模調査によると、スペインでは11万4000人以上の女性が直面している現実の一部だ。このような暴力の連鎖から生き延びたのち、ルーマニア出身の彼女は、執筆活動と売買春廃止を求めるフェミニスト活動に人生を捧げるようになった。デジタル売春斡旋の拡大や、女性をモノとして扱う考え方が幼い頃から刷り込まれている現状に抗して、ティガヌスは、脆弱な女性を商品化するシステムを食い止めるため、社会的良識に訴えかけている。「売春店は貧困に苦しむ女性たちの強制収容所です」、彼女は自らの体験に基づいてそう断言する。
ティガヌスは、水曜日から木曜日にかけての「性搾取を目的とした人身売買に対する啓発会議」の第1ラウンドを締めくくった。彼女の講演「優しさの革命――売買春システムに立ち向かう健全なセクシュアリティ」では、新自由主義的資本主義の結果として台頭したグローバルな性産業が、デジタル化を通じてさらに一歩先へ進んでいると警告している。もはやそれは単に「身体を商品化すること」にとどまらず、「親密さや自己の存在そのものを切り売りする」ものになっている。
こうした文脈において、市場は若者たちの意識を形作り、セクシュアリティを単なる消費財として、女性を道具として理解するよう仕向けている。身体的・象徴的な暴力や非人間化がエロティックなものにされることで、共感力は失われ、性的交わりは「単なる発散」へと矮小化される。こうした非人間化に抗して、ティガヌスは「優しさの革命」を提唱する。これはけっして素朴な概念ではなく、人間性を取り戻すための政治的ツールであり、私たちがお互いを理解する方法を変革する要素であると彼女はみなす――「人々を使い捨ての消費物と見るのをやめ、欲求や必要、そして歴史を持つ完全な存在として認めること」と彼女は主張する。
この考察の柱の一つは、優しさと快楽との誤った二分法を打ち破ることだ。 情熱が支配や攻撃性に関連付けられる現代の「ポルノ化された文化」において、ティガヌスは、優しさが情熱の激しさや楽しみを損なうものではなく、むしろ快楽的で健康的かつ平等なセクシュアリティを生きるための不可欠な条件であると主張する。したがって、社会の「野蛮な新自由主義」による個人主義を超えなければならない。彼女は、恐怖を告発するだけでは不十分であり、社会は、傾聴、倫理、相互のケアが中心となるコミュニティのネットワークを構築することで、どのような共生のモデルを築きたいのかを定義すべきだと主張する。「私たちは、残虐な問題を告発することに人生を費やしてしまうかもしれないが、私の講演で提案したいのは、私たちがどのような世界を築きたいかということだ」と彼女は述べる。
彼女は、性的搾取の市場が、暴力を隠蔽するために婉曲表現を用いてその言語を変容させてきたと主張する。「コンテンツクリエイター」や「サブスクライバー」といった新しい概念を通じて、この業界は OnlyFans のようなプラットフォーム上で、身体を消費用の客体へと変えることを美化し、デジタルな商品化を「自分だけのもの」「現代的なもの」というベールで覆い隠している。こうして、彼女たちは「もはや売春婦とは呼ばれていない」。彼女たちを「コンテンツクリエイター」と呼び変えるようになったことで、「そのモノ化、非人間化、非人格化に、ある種の魅力が与えられているのです」。
したがって、それは解放の場とは程遠いものであって、ティガヌスはOnlyFansを「ポルノと売買春のあいだの架け橋」と定義する。これは「ユーザーに女性を支配する方法を訓練する」パーソナライズされた消費の場として機能し、搾取のネットワークによって最初の勧誘に利用されている。「売春斡旋業者自身が、これらのプラットフォームを利用して女性を勧誘し、性的に搾取している。最初はデジタル上だが、最終的には伝統的な売買春に追いやられることもある」と彼女は断言する。
経済的利益を得るための女性の性的搾取は、もはや専門サイトに限定されない。ティガヌスは、ポルノのコードや美学が大衆文化全体に浸透し、ミュージックビデオや音楽、さらには TikTok や Instagram といったSNSにまで及んでいると指摘する。この過剰なまでの存在感は、社会的に極めて深刻な「陳腐化(banalización)〔本来深刻な問題が平凡で普通のことみなされるようになること〕」を招き、大人たち自身でさえこの現象を自然のこととして受け入れている。「『勉強ができないなら売春すればいい』と大人が言うのはさすがに聞いたことはないが、『勉強ができないなら OnlyFans を始めればいい』と言うのを耳にしたことはある。私たちは性売買の完全な陳腐化に至ってしまったのだ」。
アイデンティティの確立や集団への帰属意識が不可欠であるはずの思春期において、この新しいデジタル文化は若者の自尊心を蝕み、特に少女たちに対しては、自分の価値が身体や私生活の露出にのみ依存するという信念を植えつけ、彼女たちを搾取の格好の標的にしてしまう。男性の場合、早期のポルノ消費は「男性の精神を形成する要因」として作用し、思春期の少年たちを、単なる肉体的な欲望の発散や身体の消費に還元された性行動へと調教してしまう。
ティガヌスによれば、メディアの焦点を変え、被害者への責任転嫁を、システムやその他の目に見えない当事者たちへと向け直す必要がある。メディア、学界、社会からの注目は、ほぼ独占的に売春を強いられている女性たちに向けられ、彼女たちの決断を疑問視したり、その脆弱性を掘り下げたりしている。これに対し、彼女は180度の転換を求めている。病的な興味を隠蔽し、搾取を許容・維持し、実行する権力構造を直接名指しするよう求めているのだ。
「女性には常に『何が起きたのか』『なぜ承諾したのか』と問われますが……そもそも、能動的あるいは受動的にこうした事態を許容している国家そのものという主要な主体は、目に見えなくされているのです」。スペインでは、売買春斡旋業者の大半がスペイン本国の出身者であり、彼女は彼らを「売買春の支配者」と定義し、追及すべき対象だと指摘する。さらにこう語る──「買春客」を直接名指しする必要がある、「彼らは実行の担い手であり、この活動に資金を提供するだけでなく、その行為や消費によって女性の総合的な健康を深く損なっているのです」。
このようにして、彼女は社会に対し、性行為の購入がノーマル化することで生じる集団的な影響を自覚するよう呼びかけている。「この国の男性の10人に4人が、性的に望んでいない女性と性行為を行うために金を払ったと認めています。その相手が私の父、夫、あるいは息子でさえありうるのです。そんな男性たちと共に、どうして平等や尊厳、社会正義を築くことができるでしょうか? それは不可能です」と彼女は結論づけている。