ベルリン・ミッテ区に設置された「平和の少女像」の撤去決定に抗議する公開書簡と署名

【解説】2020年9月末にベルリンの中心街であるミッテ区の公有地に「平和の少女像」が設置されましたが、日本政府からドイツに対して像の撤去を求めるロビー活動が盛んになされ、その圧力を受けてミッテ区は10月8日、ベルリンのコリア協会(「コリア協議会」の表記もあり)に対して像の自主撤去を命じました。期限までに撤去されない場合には、市として強制撤去し、その費用をコリア協会に請求するというものです。このような動きに対して、ドイツの多くの女性団体、コリア系団体が強く反発し、撤去命令の撤回を求めて運動を展開していますベルリンの行政裁判所に命令の執行停止の仮処分を求める申請を起こしたこともその一つです。さらにこの行動の一環として、以下の公開書簡と署名を開始しました。ぜひ署名をお願いします。

平和の少女像の撤去に反対する

 9月28日、ベルリン・ミッテ区(中央区)に「平和の像」が設置されました。この像は、戦争中の性暴力の犠牲者を追悼するものです。この像は、日本軍に拉致され〔あるいは日本軍に許可された業者によって騙されて連れてこられ〕いわゆる「慰安婦」として性奴隷にされた何十万人もの若い女性たちの運命を想起させるものです。中国、インドネシア、フィリピン、日本、韓国、そして世界中の女性運動が参加して、このような性暴力に抗議しています。国際的には、「慰安婦」は、国際法の中で戦時中のレイプを非難するために戦っている勇敢な先駆者とみなされています。1993年にウィーンで開催された国連世界人権会議、1995年に開催された国連世界女性会議、そして国連安全保障理事会の決議1325は、戦時中の性暴力を人道に対する犯罪と定義しました。それ以来、武力紛争におけるレイプは、国際刑法において戦争犯罪として制裁されています。

 この像は、ベルリンのコリアン協会(Korea Verband)内の「慰安婦」アクショングループがドイツと韓国の他のNGO諸団体とともに設置したものです。ベルリンの「平和の少女像」と類似の姉妹像は、すでに国際的な女性運動と平和運動によってオーストラリア、ドイツ、フィリピン、アメリカに設置されています。日本政府は、とりわけ都市間提携の解消という脅しを通じて外交圧力をかけてきました。この試みはドイツの2つの都市、すなわちフライブルクとヴィーゼントでは成功しました。しかしながら、アメリカのグレンデールやサンフランシスコのような都市はこの圧力に抵抗しましたが、日米関係に悪影響を及ぼすことはありませんでした。

 そして現在、日本政府の意向により、ベルリンの「平和の少女」像が撤去されることになりました。2020年10月7日〔日本時間8日〕、ベルリン・ミッテ区の区長は、1週間以内に像を撤去するように命じ、順守しない場合は韓国協会の費用負担で像を撤去すると発表しました。その理由は、この像は、ドイツでは適切に対処できない2つの国家間の複雑で政治的・歴史的な対立を象徴しているからというものである。この紛争に関与することで、ミッテ区に在住する100ヵ国以上の人々の友好関係が危険にさらされることになるというのです。

 はっきりさせておきますが、ベルリンの「平和の少女像」は、民主主義、ジェンダーの正義、ポストコロニアルの過去への批判に取り組む市民社会諸団体によって設置されたものです。コリア協会のメンバーの大半はドイツ人です。この団体は、韓国や北朝鮮の政府から独立しており、しばしば公の場で両国を批判してきました。隣人間の友好関係はむしろ、これらの人々が、自分たちを引き離しているポストコロニアルな歴史的重荷に一致協力して対処するときにこそ守られるのです。これこそまさにコリア協会が求めるものなのです。

 この問題は、国家間の紛争ではなく、軍事紛争における性暴力の批判的分析と、東アジアにおける日本の植民地主義と太平洋戦争の遺産をめぐる問題です。芸術もこの目的に奉仕しています。他国政府による外交的圧力のもとで「平和の少女像」を撤去することは、必要な記憶事業に介入することになるだけでなく、芸術表現の自由にも介入するものです。植民地時代の戦争犯罪に対処するためには、被害者への正義の要求が不可欠であるのに、記憶文化の排除とそれへの抑圧はこのプロセスを妨害するものです。このような視点こそが、とくにベルリンの赤・赤・緑の政府とベルリン・ミッテ区の緑の区長に期待されているのです。

 最後の生き残りである「慰安婦」たちは、高齢になった今、日本政府によるしかるべき謝罪と補償を求めているだけでなく、自分たちの人生の悲劇を認めてほしいと願っています。彼女たちが、脅しに屈する外交に翻弄されてはなりません。ベルリンは、戦時中の性暴力に抗する記憶事業が自由に展開できる空間でなければなりません。

公開書簡と署名のページ

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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