「売買春は廃絶しなければならない」──南アフリカのアボリショニスト活動家ミッキー・メジ追悼

【解説】以下は、ラディカル・フェミニストのジャーナリスト、ジュリー・ビンデルさんによる最新の記事で、8月13日に亡くなったミッキー・メジさんの追悼文です。メジさんは南アフリカ出身のサバイバーでアボリショニスト活動家です。彼女は当初、セックスワーク派の団体でスポークスパーソンをしていましたが、団体の活動方針に疑問を抱き、アボリショニストに転じ、その後、死ぬまでアボリショニストとして国際的に活動してきた人物です。彼女についてはすでに、本サイトでいくつか記事をアップしています。たとえば、以下の記事を参照。「南アフリカの性売買サバイバーが大統領に宛てた手紙」、「ナイジェリアに平等モデル法を!――南アフリカのサバイバーからナイジェリアへのアドバイス」。

ジュリー・ビンデル
2026年8月13日

 今日、ミッキー・メジが亡くなった。彼女の死は計り知れない損失だ。南アフリカ出身の黒人フェミニストであり、アボリショニスト(廃娼運動家)、人権活動家であったミッキーは、南アフリカの残酷な性売買システムに10年近く巻き込まれていた。そこから脱出してすぐ、彼女は「北欧モデル」の導入を求める運動に転じた。これは、性売買を強いられている人々(ほとんどが女性だ)を非犯罪化し、性売買から抜け出す手助けをする一方で、買春者を犯罪者とする法的枠組みである。

 私が2016年にケープタウンで初めて彼女に会った当時、ミッキーは「エンブレイス・ディグニティ(Embrace Dignity)」で3年間活動していた。だが、それ以前はセックスワーク派の団体「SWEAT(セックスワーカー教育・擁護タスクフォース)」でボランティアとして、また有給スタッフとして関わっていた。

 「SWEATに参加した当初、売買春を強いられている女性たちと協力してくれる組織はそこだけでした。ただ、彼らは私たちを『セックスワーカー』と呼んでいました」とミッキーは語った。「私は路上にいて、このことについて誰とも話すことができなかったから、初めて自分らしくいられて、これまで誰にも話せなかったことを話せる場所を見つけたと感じたんです」。

 彼女はやがて、売買春を容認する団体は、性売買に関わる人々への配慮よりも、入手可能な資金に左右されがちであることに気づいた。「主要な資金提供者は、売買春の非犯罪化や、売買春が単なる『セックスワーク』であるという考え方に資金を提供したがっています」とミッキーは言う。「しかし、それは違う。それは女性への虐待なんです」。

 SWEATは南アフリカを代表する売買春推進派のNGOであり、1990年代初頭に、2人の白人「セックスワーカー権利」活動家――ゲイの男性セックスワーカーであるシェーン・ペッツァーと、女性臨床心理士のイルゼ・パウ――によって設立された。他の売買春擁護NGOと同様、SWEATも人権という国際的な言葉を用いて非犯罪化を主張している。

 「彼らのチラシを見たんです」とミッキーは私に語った。「幸せそうな女性たちの漫画のイラストが載っていて、『私の組合が私を守ってくれる』とか『他の人と同じように仕事を楽しめる』といったセリフが吹き出しになっていました。それを見て、売買春から抜け出したいと思っていた自分に罪悪感を覚えたんです。楽しめないのは、自分に何か問題があるに違いないって思ったんです」。

 SWEATは2000年以来、性売買の非犯罪化に向けて積極的に運動を展開してきた。いわゆる労働組合の多くは、資金提供者に好印象を与えるために、労働者の権利擁護団体として設立されているように見えることが多い。

 私はミッキーに、性売買の労働組合化が可能と考えているかと尋ねた。「いいえ」と彼女は言った。「南アフリカにある労働組合は、私の知るかぎり、労働者として認められている人々を代表するものだからです」。ミッキーが言及していたのは、南アフリカの家事労働者たちのことだ。彼らはしばしば雇用主から不当な扱いを受け、低賃金で働かされ、虐待されており、2000年代初頭までは労働権すら持っていなかった。

 「人々は、法的に労働者として認められる前から組合を結成することができます」と彼女は私に語った。「『家事手伝い』という存在が現れ始めた頃、雇用主が支払額を決定し、労働者側はそれを受け入れるかどうかを決めるだけでした。最終的に、組合結成を通じて、彼女たちは自らの権利の承認を求めて闘いました。『家事手伝い』であることは犯罪ではなかったのです。そこが違いです。そうでなければ、密輸業者や人身売買業者の組合までできてしまうでしょう」。

 もし売買春が合法化されたら、組合はできるだろうか? 「いいえ」と彼女は一貫して主張していた。ミッキーは、たとえ刑事罰が科されなくても、売買春によるスティグマは、女性たちがいつまでも背負い続けるものだと確信していた。「存在すら認められていない人々を、どうやって組合に組織化できるというのでしょうか?」と彼女は問いかけた。「デモ行進の際、彼女たちはマスクを着用します。隠れて匿名でありたいのです。そんな状況で、どうやって組合を結成できるでしょうか? 私たちが知るかぎり、どんなに凄惨で、どんなに汚い業界であっても、人々はそこに主体性を持って関わってきました。しかし、性売買においては、被買春女性から真の『誇り』は感じられません」。

 私は「シスターフッド」で彼女を訪ねた。そこは、エンブレイス・ディグニティが設立した、性売買から抜け出したいと願う女性たちのための支援グループだ。ミッキーはホワイトボードのそばに立ち、大きなテーブルを囲んで座る20人以上の女性たちが叫ぶ言葉や文章を、思いつくままに書きなぐっていた。「売買春は廃止されなければならない」、「教育は向上しなければならない」、そして「女性と少女は売り物ではない」。

 2025年、私はミッキーに最後のインタビューを行なった。その際、性売買全体を一律に非犯罪化する法律の脅威が高まっていることについて尋ねた。もしこれが成立すれば、同国はアフリカで初めてそのような措置を講じる国となるはずだった。しかし、国際的なアボリショニストの運動のおかげで、それは実現しなかった。ミッキーはこの闘いにおいて極めて重要な役割を果たした。

 「私が『売買春のない世界を想像する』と言うと、まるで『空気や水なしでも生きていける』と言っているかのように扱われます」と彼女は語った。「しかし、売買春は誰のためにあるんでしょうか? 暴力的なピンプに背後で監視されながら、絶望からこの仕事をしている女性たちのためではありません。自分たちの利己的な快楽のために私たちを虐待する男たちのためなのです」。

 ミッキーは、売買春という制度がいかに人種差別的であるかを雄弁に語り、反人種差別を標榜しながらも、売買春を「セックスワーク」と呼ぶ白人リベラルたちの偽善を指摘した。

 「アパルトヘイトや人種差別の歴史と、性売買の中の黒人女性の扱いを切り離して考えることは不可能です。なぜなら、これは一種の奴隷制であり、男性たちの快楽のために売買されるよう、女性の人間性を奪うものだからです」。

 性売買から脱け出した女性たちが率いるNGO「SPACE International」のメンバーとして、ミッキーは非犯罪化に反対する他のサバイバーや活動家たちと会うため、定期的に世界中を旅していた。「売買春の代償を払うべきなのは、女性ではなく搾取者たちだ」と彼女は常に語っていた。

 ミッキーによると、南アフリカ全土には非犯罪化を支持する40以上の団体からなるネットワークが存在し、そこにはLGBTQ+関連団体がすべて含まれているという。一見すると、これは、被買春女性もハイリスクグループであるため、ゲイ男性を対象としたHIV予防サービスと同じ資金源を共有しているからだと考えられるかもしれない。しかし、2014年に医学誌『ランセット』が提唱した「グローバルな非犯罪化によりHIVの新規感染率が大幅に低下する」という説は、すでに否定されている。研究者たちは、非犯罪化や合法化のもとで売買春市場が拡大するという事実を考慮に入れていなかったのだ。

 この点において、南アフリカは依然としてアパルトヘイト国家として機能しており、最も貧しい黒人女性と少女たちが、多くの場合白人である富裕層の男性の欲望を満たすために売買春へと追い込まれている。

 2022年にダブリンで行なった共同ポッドキャストのインタビューで、私はSWEATについて、そして彼らがなぜこれほど多くの市民に「非犯罪化が女性にとってより安全になる」と納得させることができたのか尋ねた。

 「私が路上で過ごした9年間、警察官に殺された女性は一人も知りませんが、ピンプや買春者に殺された女性はたくさん知っています」と彼女は答えた。「それなのに、なぜSWEATは、性行為に対価を支払う男性に対するスティグマをなくすようキャンペーンを展開しているのでしょうか?」

 彼女は、ネルソン・マンデラ政権の関係者と会話したことについて語った。その人物によると、マンデラは、売買春が主に白人男性によって、最も貧しい黒人女性たちに対して行われていることを目の当たりにしていたため、常に売買春の根絶に非常に熱心だったという。私が最後にミッキーに会ったのは2022年のダブリンでだ。彼女は、親しい友人でアボリショニスト運動家、SPACE International の創設メンバーであるレイチェル・モランと共に、アイルランド南西部で過ごした3日間の休暇から戻ったばかりだった。私はレイチェルに、ミッキーの死についてどう思うか尋ねた。彼女はこう答えた。「彼女の死は、この運動にも私の人生にも、何ものも、誰一人として決して埋めることのできない空白を残した。私は永遠に彼女を恋しく思うだろう」。

出典:https://juliebindel.substack.com/p/prostitution-must-fall

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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