アナ・フィッシャー「ダイアナ・ジョンソン議員の性的搾取防止法案への支持を」

【解説】ここに訳すのは、Nordic Model Now! に最近掲載されたものです。昨年末、イギリス議会に最初の北欧モデル型の立法案がダイアナ・ジョンソン議員(労働党)によって提出され、第一読会(法案の最初の討議。提案者によって趣旨説明がなされる)が開催されました。この討議の中で、反対討論に立ったのは同じ労働党のリン・ブラウン議員でした。この記事では、リン・ブラウン議員による異論に直接反論し、北欧モデル法への支持を訴えています。

アナ・フィッシャー

Nordic Model Now!, 2021年1月11日

  はじめに

 ダイアナ・ジョンソン国会議員は最近、英国議会に性的搾取防止法案を上程した。もし可決されれば、イングランドとウェールズの売春法と売買春政策に北欧モデル型のアプローチが導入されることになる。その内容は次のように説明されている。

 「セックスを買うことを犯罪化し、セックスを売ることを非犯罪化し、他人の性的搾取を可能にしたり、他人の性的搾取から利益を得たりすることに関わる罪状を創設し、オンラインでの性的搾取に関連する条項を設け、性的搾取の被害者への支援サービスを提供し、およびその他関連する目的のための法案。」

 この法案は、10分ルールの下、私人議員法案として導入された。議会のウェブサイトでは、「10分ルールの法案は、法案を成立させようとする真剣な試みというよりも、既存の法律の主題や側面について意見を述べる機会であることが多い」と説明されている。

 いずれにしてもこの法案は、北欧モデルのアプローチの認知度を高め、それがかなりの国民の支持を得ていることを示す絶好の機会を提供している。したがって、私たちはすべての国内支持者に、自分の選挙区の国会議員に手紙を書いて、同法案を支持するように訴えることを奨励したい。

 2020年12月9日の第一読会〔イギリスの立法過程の一つで、下院で最初に法案の説明と質疑がなされる場〕では、ダイアナ・ジョンソンが力強く同法案を支持し、ウエストハム選出の労働党議員リン・ブラウンが反対意見を述べた。

 この記事では、リン・ブラウンが行なった主張(他の人もしばしば同じ主張をしている)のいくつかを取り上げ、その多くが誇張されていること、あるいは堅固なエビデンスによって裏づけられていないことを示す。

 「過去を忘れる者は、それを繰り返す運命にある」

 ジョージ・サンタヤナ〔アメリカの哲学者〕が「過去を忘れる者は、それを繰り返す運命にある」と言ったことは有名である。これは、莫大な利益を上げる危険な産業を扱うとき最も真実味を帯びる。

 アスベスト産業を考えてみよう。1906年にはアスベスト繊維が人々の健康に与える影響が懸念されるようになっており、1950年にはすでに、アスベストが致命的な肺疾患を引き起こし、ゆっくりと痛みを伴う早死にを引き起こすことは疑いの余地がないものになっていた。しかし、英国でそれが全面禁止にされたのはようやく1999年になってのことなのである。

 科学的厳密さを誇る近代民主主義国家において、どうしてこの危険で不必要な材料の使用が禁止されるのに何十年もの長い年月を要したのだろうか? これを理解する鍵となるのは、アスベストが非常に儲かる素材だったということだ。莫大な富がアスベストからつくり出されている一方で、アスベストによって生命を脅かされた人々の大多数は貧しい労働者階級の男女だった。彼ら・彼女らの貧困と沈黙は、アスベストがもたらす慢性的な健康悪化と痛みを伴う早死によっていっそう悪化した。

 言いかえれば、それは非常に不平等な土俵だった。資本家たちは自分たちの声を聴かせることができたし、ジャーナリストや学者、政治家を買収することができた。彼らのプロパガンダは、アスベストが誰にとっても生活をより安全にする奇跡の物質であるという安直なストーリーを作ることができた。いったい誰がこの幸せで高揚感のある物語を中断して、労働者階級の男女が慢性的な病気に苦しみ、ゆっくりと苦しい早死を遂げ、その結果として家族が貧困に陥り、苦しんでいるという話を聞きたいと思うだろうか?

 しかし、アスベストの被害を否定することができなくなってくると、資本家たちはこれまで以上に独創的な戦術を考え出した。彼らは、アスベストには確かに危険なものもあるが、業界で使用されているのはその種の危険なものではないと言ったのだ。彼らはアスベスト研究調査協会のような中立的な名称のロビー団体を設立した。不都合な結果を発表した科学者を中傷したり嫌がらせをし、逆に、言うことを聞く科学者には資金をたっぷり提供して、リスクはないと主張させたり、たとえリスクがあっても、それは小規模でごくたまに起こるものでしかなく、容易に軽減することができると主張させたりした。

 このため、人々は何が起こっているのか真実を見て理解することが非常に難しくなり、その結果、アスベストの使用が広まっていった。このような手練手管と戦術を理解することは重要だ。似たような戦術は、たばこロビーも使っていたし、今日でも、性産業のためにロビー活動を行なう人々を含め、他の多くの儲かる分野で使われているからだ。

 アスベストやたばこ産業と同じように、性産業も莫大な利益を生み出す。しかも、しばしばごくわずかなリスクでそうした莫大な利益を上げることができる。たとえば、ダイアナ・ジョンソン議員は演説の中で、自分の売春店から1年間で160万ポンドを稼いだイギリス人男性について言及した。

 もちろん、彼や他のすべてのピンプや売春店のオーナーたちは、合法的なビジネスマンとして見られたいのであって、最も弱い立場にある女性や少女の苦しみから搾り取る薄汚い犯罪者として見られたくはない。もちろん、彼らは長い刑期を刑務所で過ごすことを望んでいない。それゆえ、彼らは自分たちの利益のために容赦なく闘うだろう。だから、昔のアスベスト資本家たちが好んで用いた戦術の多くを用いても不思議ではない。

 そしてもちろんのこと、売買春やポルノ、ストリップダンスなどで満足している男たちは、それを神から与えられた「権利」と考え、自分たちの「自由」を制限しようとするいかなる試みとも闘う。多くの男性が、性産業ロビイストの歪曲と甘言を繰り返したがるのは、驚くべきことではない。そして悲しいことに、多くの女性たちも自分たちを取り巻く男性に頼っており、自分たちの均衡を乱すことになるのを直感的に恐れている。そして、彼女たちもまた、誤った情報と嘘の網から自分たちの本当の利益をまだ解き放たっていないがゆえに、性売買ロビイストのプロパガンダを繰り返しているのである。

  アカデミズムにおける性売買ロビイストの支配

 性売買ロビー団体はメインストリームの物語(ナラティブ)を支配することに成功してきた。それゆえ、多くの研究・教育機関において、「セックスワーク」は女性にとってエンパワーメントになり、普通の仕事の一種であり、唯一の問題は、セックスワークに内在する何らかの問題ではなく、それに対する取り締まり方や人々の否定的な態度(「スティグマ」)であるという見方が支配的になっている。そして、その見方から離れてしまうと、研究者が仕事を得たり、仕事を維持したりすることは困難であり、資金を提供されなくなり、研究者として認められることさえ難しくなるのだ。

 私たちはこれまで、イギリスにおける多くの売買春研究が、知的誠実さや厳密さを驚くほど欠いており、その主たる主張でさえ何らエビデンスによって裏づけられていないことを明らかにしてきた。たとえば、ハダースフィールド大学によるホルベックの赤線地帯に関する最近の研究、ベルファストのクイーンズ大学による北アイルランドにおける北欧モデルの実施に関する研究、アムネスティ・インターナショナルによるノルウェーにおける北欧モデルに関する研究などがそうである。

 したがって、完全な非犯罪化が最善のアプローチであり、北欧モデル(ピンプは刑務所に放り込まれ、買春者は摘発される)が最悪だと学術的に証明されていると主張する性売買擁護派の人々の主張を耳にしても、私たちは一定の懐疑心を持ち続ける必要がある。

  フランス

 リン・ブラウン議員はその演説の中で、2016年に北欧モデルがフランスで導入されて以来、「セックスワーカー」はより多くの暴力にさらされ、警察との関係を悪化させ、コンドームを使用する可能性が低くなっていることを示唆するフランスのNGO「世界の医療団」の調査からの統計を引用した。それらが示唆しているのは、北欧モデルがこれらいっさいの原因であるということだ。しかし、別のフランスのNGOであるAmicale du Nidは、「世界の医療団」の調査に対する回答を書いている。それが示しているのは、ホルベック、北アイルランド、ノルウェーの調査研究の場合と同じく、そこでなされている大げさな警告の多くが実際のデータと矛盾している事実である。

 さらに、それらの聞き取りや調査はすべて2018年2月末までに完了しているが、それは北欧モデル法が可決されてから2年も経っていない。以前とはあまりにも異なる制度を導入しているというのに、ほとんど時間が経っていないということだ。フランスは、6600万人もの人口と18もの行政地域に分かれ、各地域がさらに多数の部門に分かれている大国だ。この新制度を実施する責任の多くは地方自治体や広域自治体に委ねられており、どの程度徹底してこれが実施されているかには地域によってかなりのばらつきがある。

 このことは2019年の公式評価でも確認されており、検察官や県(préfets)役人を含む主要な高官からのアプローチへのサポートが不足している場合には、実施はあまり成功していないことが明らかにされている。フランスの一部の地域は、買春者を起訴し、売春に従事している女性のためのサービスを提供することにほとんど、ないしまったくコミットしていないようだ。このことが意味するのは、フランスの一部地域では北欧モデルが実際に実行に移されていないということだ。

 たしかに「世界の医療団」の調査では、「セックスワーカー」が暴力にさらされていることが明らかになったが、これが大幅に増加したことや、北欧モデルの結果であることを示唆するエビデンスは何もなかった。実際、公式の評価でも、そのような暴力が増加したというエビデンスは見つかっていない。

 暴力は売買春そのものに内在しているのであり、実施されている政策や立法のいかんに関わらずそうだ。だからこそ、私たちが考える唯一の倫理的アプローチは、売買春の量そのものを減らし、売春に巻き込まれる新たな女性や少女の数を減らすことであり、その一方で、すでに売春に巻き込まれている人々には、離脱と真の代替手段を提供することなのである。これこそが、北欧モデル型アプローチが達成しようとしていることだ。

 「世界の医療団」の調査に対する全面的な批判については、Amicale du Nidの回答を参照してほしい。

 北欧モデルは売春を「地下」に追いやる、等々の主張

 リン・ブラウン議員は、性売買の完全な非犯罪化を主張する人たちがよく口にする他のいくつかの主張を繰り返した。たとえば、北欧モデルは売春に従事する女性への暴力を増加させるだけでなく、彼女たちをより貧しくさせ、警察との関係を改善することができず、売春を「地下」へと追いやる、云々と。

 スウェーデンは、北欧モデルのアプローチを導入した最初の国であり、フランスその他の国でまだ見られる法施行上の問題の多くを解決するための十分な時間と政治的な意志を持っていた。そこで私は、スウェーデンの売春経験を持つ人々の団体「#intedinhora」の代表であるリアさんと連絡を取って、彼女にこれらの主張を伝えた。彼女は熱心にそれらの主張を正した。

 彼女は、スウェーデンでの売春の価格は、性売買が容認されているヨーロッパ諸国よりもはるかに高いと述べた。「このことは買春男たちを怒らせています」。「オンラインフォーラムでは、ここスウェーデンの『娼婦』がいかに『甘やかされているか』や、価格がスウェーデンの半分以下であるドイツのようになればいいのにと話しているのをよく見かけます。このことが意味しているのは、私たちが生きていくためには、あまり多くの買春男を相手にする必要がないということであり、私たちが不快なときにはノーと言うことができるということです」。

 彼女は、北欧モデルが売春を地下に押しやっているという主張に対して、買春男が公然と買春したいと思っている国が世界のどこかにあるかと問うことで反論した。彼女は言う、「彼らは妻やガールフレンド、雇用主に知られたくないし、いずれにせよほとんどの人がプライベートで買春したいと思っているので、法律はこの点ではほとんど違いはありません」と述べた。「いくつかの国では、買春が公共の場で行なわれるという事実は、売春がより安全であることを意味するものではありません。アムステルダムの赤線地区の小さな部屋でで毎年女たちは殺されています。しかし、スウェーデンでは1999年に買春者処罰法が制定されて以来、売春者が殺される事件はまだ1件も報告されていないのです」。

  ニュージーランド

 議会での討論では、リン・ブラウンがニュージーランドでの売買春の取り組みについて肯定的に語った。

 「私は、女性が自分の望む人生を切り開く力を持てるような政策を作らなければならないと思っています。ニュージーランドでは、被害を減らし、セックスワーカーが自分たちの権利と正義にアクセスできるようにすることに重点が置かれています。このような改革により、セックスワーカーは訴追の恐れなく、より安全に共同で働くことができるようになりました。ニュージーランドでは、人々にセックスワークを強制したり、受け取ったお金の分け前を提供したりすることはもちろん違法であり、セックスワークは通常の労働形態として扱われ、課税されているため、通常の法律がすべて適用されます。私の見解では、ニュージーランドの証拠はポジティブであり、警察への信頼が向上し、犯罪の報告が増え、セックスワーカーの安全と健康が改善され、何よりもセックスワーカーが顧客を拒否する能力が増したことが挙げられます」。

 これは私たちが何度も何度も耳にしてきた言葉だ。しかし、ニュージーランドの状況は本当にそんなにバラ色なのだろうか? エビデンスは何を語っているだろうか?

 ニュージーランドは2003年に法律を改訂して、性産業のすべての側面を非犯罪化する売春改革法(PRA)を可決した。この法律の背景にある意図は、売買春に従事する女性のために事態を改善することであり、これがこの法律に投票した多くの人々の動機であった。このことに疑いの余地はないし、法律の影響と売春女性の数を長期的に監視するための条項が盛り込まれていた。

 しかし、ヘレン・ジョンソンとトニー・ピットによるPRAの運用に関する新しい学術研究によると、このアプローチの利点は非常に誇張され、その欠点は「無視され、否定され、隠されてきた」ことがわかった。

 PRAの運用に関する公式調査は、13年前の2008年に行なわれた1回だけである。フランスの「世界の医療団」の調査と同様に、その主要な結論はデータによって十分裏づけられたものではなかった。

 2008年の調査では、たとえば、かなりの闇市場が存在するというエビデンスが見つかっており、女性が暴力を通報しやすくなっているというエビデンスは何もなかった。PRAは、女性が個々の客や行為を断る権利を明記しているにもかかわらず、女性が自分の意思に反して客を取ることを強要されたり、危険で不愉快な行為に従事したりすることを強要されていることを発見した。しかもしばしば売春店の経営者によってそれがなされていた。報告書は多くの提言をしているが、12年経った今日でも実行に移されていない。

 2008年以降、PRAの運用に関するさらなる公式評価は行なわれておらず、情報公開の要請に答えてニュージーランド司法省は、今後もその予定はないと述べている。

 ジョンソンとピットはまた、この業界に関わる女性の数を追跡しようとする真剣な試みが何らなされていないことを明らかにした。2008年の調査で報告された数字(2332人)は今でも頻繁に引用されているが、NZPCは2019年上半期だけで7416人が売春に従事したと報告している。つまり、従事者の数は少なくとも2008年の3倍、おそらくそれ以上に大幅に増加しているということだ。

 PRAは売春店の定期的な検査を義務づけている。しかし、ジョンソンとピットの調査によると、2015年まで3大都市(オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ)では1件も売春店の検査が実施されておらず、それ以降は公的資金が投入されていないため、実施されていない可能性が高いという。ニュージーランドの他の地域では、2015年以前の10年間に11件の売春店の検査が行なわれただけである。

 PRAは女性に客や特定の行為を断る権利を与えているが、実際にはピンプや売春店の経営者による強要が横行しており、女性は耐えられなくなったら他の売春店に移るのが一般的である。ジョンソンとピットは、「2009年以降、性行為の強要が多発しているとの報告があるにもかかわらず、法の下で起訴されたのは2件しかない」と述べている。

 ニュージーランド政府は、売買春に関する問題については、ほとんどNZPC(New Zealand Sex Workers’ Collective)に頼っている。NZPCは、売春女性から出された苦情、照会、懸念に関するデータを収集する契約を結んでいる。ジョンソンとピットは、彼らが契約に基づいてこの義務やその他の義務を果たしておらず、ニュージーランド政府は契約に基づいて彼らのパフォーマンスを監視していないことを明らかにした。

 NZPCはニュージーランドの売買春に関する問題を独占しているロビー団体である。彼らは年間100万ドル以上の政府資金を受け取っている。女性の売春産業からの離脱を支援することがPRAの目的の一つであり、2008年の聞き取り調査では85%の人が売春からの離脱を希望していると答えているにもかかわらず、NZPCは性産業からの女性の離脱を支援するサービスを何ら提供していない。そしてニュージーランドには公的資金で運営されている離脱支援サービスは他に存在しないのだ。その一方で、NZPCは売春店経営者や売春店の開業を検討している人に多大な支援を提供している。

 NZPCは、ニュージーランドの売春に多くのギャングが関与していることや、売買春での子供の搾取や人身売買が実際に問題になっていることを否定しているが、メディアや米国のTIP報告書では、これらのことを示す重大で非常に厄介なエビデンスが暴露されている。にもかかわらず、NZPCがこれほど効果的に国際的な支持を獲得することができたこと、そしてジョンソンとピットが言うように、今なお獲得しつづけていることは非常に憂慮すべきことである。

 「法律の影響を誤って伝え、大規模な国際会議で定期的に講演を行なって、ニュージーランドの非犯罪化システムの成功を謳っているが、安全衛生検査が行なわれていないのに検査が行なわれているとほのめかしたり、離脱サポートを提供していない事実や、PRAが強制、暴力、虐待を減少させたというエビデンスがないという事実を無視するなど、誤解を招くような情報を用いている」。

 ジョンソンとピットは以下のように結論づけている。

 「このような状況では、法律の『成功』に関して行なわれた主張を正当化するのは難しい。というのも、法律の影響がまったく調査されていないのが現状だからだ。性産業への手放しのアプローチは、その中で起こっている搾取や虐待を含め、性産業についてのきちんとした調査や監視が行なわれていないことを意味する。事実上、エビデンスの収集が行なわれていないことは、実際には収集すべき被害のエビデンスがないということを意味すると解釈されてきた。これは端的に言っておかしい。」

  最後に…

 アスベストで人生を台無しにされた人たちを擁護する人たちがお金を儲けることがなかったのと同じく、売買春やその他の性産業によって人生を台無しにされた女性や子供たちを擁護する人たちがお金を儲けることはない。またその活動にはいかなる華やかさもない。それどころか、それは多くの非難と攻撃を受ける。

 私たちはしょっちゅう、男を憎む反セックス嫌悪者として描かれ、「極右」から巨額の資金を受け取っているなどと非難されている。ノルディックモデル・ナウ!は完全に無給のボランティアによって運営されている草の根組織であり、私たちはかつかつの財政状況で運営されており、唯一の資金源は、個々の支持者からの寄付(ほとんどが少額の)であることを示す年次財務諸表を公開しているにもかかわらずだ。

 私たちは、性産業で搾取されている女性や子供たちの苦しみを増大させているとさえ非難されている。たとえば、完全な非犯罪化を提唱しているゲイの男性ポルノ俳優「ジェイソン・ドミノ」は最近、こんなツイートをしている。

 これは、アスベストによって生活を破壊された女性や男性を擁護する人たちが、彼ら・彼女らをより貧しくし、より病気にさせ、仕事を奪おうとしていると言うようなものだ。あまりにもナンセンスで、どこから手をつけていいのかわからないほどだ。しかし、性産業のロビイストたちはこうやって反対派をつぶすことで、自分たちのプロパガンダを見破る人がますます少なくなることを確信している。

 ほとんどの人は、この国の何千・何万人もの「普通の」男たちが毎日お金を払って、弱者である女性や子供を性的に利用し虐待して生涯にわたって被害を与えているとみなすことに抵抗を感じている。むしろ、売春に携わっている女性たちは旺盛な性欲と進取の気性に富んだ人々で、家族を養うため、貧しい孤独な男性に必要とされるサービスを自ら提供しているのだと考える方が、恐ろしい現実を直視するよりもはるかに容易だ。

 性産業における女性と少女の性的搾取から直接ないし間接に利益を得ている多くの個人、ビジネス、企業は、自分たちが、人々の苦しみや病気、早死から利益を得ていたアスベスト産業の所有者や投資家とほとんど変わらないことを理解しようとしない。彼らは、自分たちが餌食にしている人々の苦しみの現実を見ようとしないし、他の人々にも見てもらいたくないと思っている。アスベスト資本家たちが人々に真実を理解してほしくなかったのと同じだ。

 ピンプとその工作員たちは、最高レベルの国内組織や国際組織に深く浸透し、そこでのアジェンダを設定することに成功している。たとえば、アムネスティ・インターナショナルは、完全な非犯罪化のためにロビー活動を行なう方針をとっている。このアムネスティの政策の元となった原案を書いたのが、当時イギリス最大のエスコート売春会社の一つであったChristony Companionsの創設者でありビジネスパートナーであったダグラス・フォックスであったことは広く知られている。ダグラス・フォックスが「国際セックスワーカーズ・ユニオン」の活動家であったことは注目に値する。この中立的に聞こえる名称は、アスベスト資本家たちの「アスベスト研究協会」を彷彿とさせる。

 UNエイズと世界保健機関(WHO)のガイドラインは、ニュージーランド式の完全非犯罪化を提唱しているが、このガイドラインは、ピンプであったアレハンドラ・ジルが共同議長を務めるグローバル・ネットワーク・オブ・セックスワーク・プロジェクト(NSWP)の諮問グループによって作成されたものだ。フェミニストの作家であり活動家でもあるカット・バニャードはこれを人権スキャンダルと表現しているが、実に言い得て妙だ。しかし、リン・ブラウン議員はWHOが北欧モデルに反対していることを利用して、討議における自分の主張に重みを与えることに躊躇しなかった。

 リン・ブラウンはまた、ロイヤル・カレッジ・オブ・ナーシング(RCN)〔イギリスの看護師労働組合〕が性売買の完全な非犯罪化を支持していることも、自分の主張を裏づけるために利用した。しかし、RCNの方針は、誤解と混乱を招くような動議に基づいた一方的な「討論会」(30分ほどしかなされなかった)の後に可決されたものだ。その動議が何をめざすものであるかを明確かつ詳細に説明していたとしたら、成立していたかどうかは疑問である。

 このようなやり方では良い政策は生まれようもない。私たちはリン・ブラウン議員に対して、さらなる調査を行なうこと、そして、性産業から離脱して安全な場所にいることで自分たちがかつていた状況について考察し理解することができている女性たちから話を聞くことを求めたい。私たちも、彼女や他の政治家たちと面会して説明したいと切に願っている。

出典:https://nordicmodelnow.org/2021/01/11/dame-diana-johnsons-sexual-exploitation-bill-the-debate/

投稿者: appjp

ポルノ・買春問題研究会(APP研)の国際情報サイトの作成と更新を担当しています。

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